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発育・発達

Q. 在胎週数38週で出産。発達や発育に遅れがでないか心配です。 (2020.3)

  • (妊娠週数・月齢)0か月

在胎週数38週ちょうどで、2,700gの赤ちゃんを計画出産しました。出生後、黄疸検査に引っかかり、光線治療を受けました。妊娠中の私は、黄疸のことも、低体重だと黄疸が出やすいことも、まったく知りませんでした。赤ちゃんが40週までおなかにいることの大切さや、3kgほどの体重であることが望ましいことも知らなかったため、もっとしっかりとした体重で生まれたら、こんな治療も受けなくて済んだのに……と自分の浅はかさを思い悩み、鬱になりそうです。正産期といっても、早めの場合は発達障害や発育に遅れが出ることもあると聞いて、心配と後悔をしています。医学的見解から、これから何か挽回できることがありますでしょうか?挽回できなくとも、この気持ちをどう乗り切ればよいでしょうか?

回答者: 板橋家頭夫先生

 胎児の発育は、両親の体格や、初産・経産、母親の出産年齢、疾病の有無あるいは健康状態、飲酒や喫煙歴、胎児の性別など様々な要因がかかわっています。したがって妊娠38週、出生体重2700gで生まれた状態が、子宮内で発育が抑制された状態かどうかを得られた情報だけで判定することが困難です。本来、出生時の新生児の理想的な体格は個々によって違うはずですが、それがわからないために多数の新生児のデータを集めて統計学的に処理し平均的な出生体重やその範囲が求められていることも理解しておいてください。妊娠38週で2700gであったことがお子さんにとって最適であった可能性もあります。

 体重がやや小柄であるというだけで心配する必要はないでしょう。なお、最近の日本人新生児の出生体重は1970年代に比較し減少傾向で、出生体重が3000gを下回ることも稀ではありません。確かに黄疸は子宮内発育が不良である場合に強くなり、光線療法が必要になることもありますが、黄疸はアジア人に出やすく、また出生後の体重減少が高度な場合や母乳成分の影響など複数の要因が関与していますので、光線療法など適切な対応がされているのであれば、黄疸が発育や発達に影響することもありません。

 妊娠40週の脳容積を100%とすると、妊娠34週以後は30%増加すると考えられています。妊娠37~38週よりは39週以上で出生した児のほうが発達予後はよいという欧米の報告がありますが、日本人のデータは乏しく、少なくとも38週台であれば出生後に脳の発育は追いつきますので、あまり心配はしなくてよいと思います。過剰な心配は不要ですので、育児を楽しんでください。