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病気・予防接種

Q. 2回目の予防接種を受ける予定の病院で、新型コロナウイルス感染者が。接種をどうすべきでしょう? (2020.7)

10日後に2回目の予防接種の予定があります。ところが、接種を行う予定の病院の患者さんが、新型コロナウイルスに感染したことが昨日判明しました。院内感染の可能性もあるとのことです。そのような病院に、いま予防接種に行くのは怖いです。接種の間隔は少しあけてもよいでしょうか? それとも間隔はあけず、他の個人病院などで接種してもらったほうがよいでしょうか?

回答者: 横田俊一郎先生

 新型コロナウイルス感染症は落ち着きつつあるものの一定数の感染者が続いていて、このような心配をされる保護者も少なくないかと思います。

 まず予防接種の必要性です。予防接種で防ごうとする病気は、子どもにとっては新型コロナウイルス感染症より重症になったり後遺症を残したりすることがずっと多い病気です。したがって1回目の接種は、先延ばしにせずに予定通り接種することをお勧めします。また、不活化ワクチンで2回目、3回目と続けて接種する場合に間隔をあけると効果が落ちるかどうかという問題ですが、間隔は多少あいても効果はほとんど落ちません。1か月程度の先延ばしなら、免疫という点からは問題はありません。したがって、1回目を接種しているのであれば、1か月くらい遅れても問題はないと思います。

 次は新型コロナウイルスの患者さんが出た病院が、本当に危険かどうかという問題です。公表されているような病院内感染の多くは、高齢者が入院している病棟内で起こっています。したがって、病棟内で患者さんが出たから外来がすぐに危険かというと、そのようなことはあまりないと考えられます。医師や看護師が病棟と外来を行き来していて危険があると判断されるときには、病院が外来診療を停止するよう求められますし、自主的に外来を休診とすることが大多数です。また、新型コロナウイルス感染症への対策として、予防接種は一般的な外来とは別の時間帯に行っている施設がほとんどです。

 したがって、予防接種を受けに行って新型コロナウイルスに感染する危険はほとんどないと思います。基本的には予定通り予防接種を受けるのがよいのですが、どうしても心配であれば、他の小児科クリニックで接種してもかまいません。まずはかかりつけの小児科に相談してみるのもよいでしょう。

 子どもの新型コロナウイルス感染症は非常に少なく、たとえ感染しても症状は軽く、命にかかわるようなことはほとんどありません。周囲に高齢者がいるときには、高齢者に感染させないための注意が必要ですが、あまり心配しすぎないことも大切です。地域の流行状況に気を配りながら、あわてずに判断してください。

※編集部注
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