食事と栄養・離乳食
Q. 自分で食べる意欲がない3歳の子。 (2021.6)
- (妊娠週数・月齢)3歳
3歳の子です。もともと少食で、自分で食べる意欲がありません。スプーンやフォークは使えますが、私がそばにいると食べさせてもらえると思って「食べさせて!」と言ってばかりです。パンなど、手で持って食べるものですら、食べている途中でやめてしまいます。これまで、一人で食べさせると時間がかかったり、すぐ立ち歩いたり機嫌が悪くなったりするため、私がほとんど食べさせてしまって、甘やかしてきたところはあります。入園した幼稚園でも先生に食べさせてもらっているようなので、家でなるべく自分で食べるよう促しているのですが、そうすると、つい叱りすぎてしまいます。どうしたらよいのでしょうか?
回答者: 太田百合子先生
お子さんも保護者の方も、なんだか食べることが憂鬱だと感じているような気がします。
親心から残さず食べてほしいと願うのは当たり前のことかもしれませんが、その気持ちを察してお子さんはプレッシャーに感じているように思います。食事は安心感のある中で食べられるようになるので、保護者の方には、子どもってこんな時期もある、残してもかまわないと余裕を持ってほしいと思います。
食べさせてほしいと自己主張しているなら優しく介助してあげましょう。幼児期は、まず自己主張が発達してから、その後でがまんを覚えていくので、いまは甘えさせてあげることが大切といえます。それと同時に工夫していきます。負担感のない量を盛り付けて短時間で食べられるようにしてはいかがでしょう。「全部食べられたの。よかったね」などと声をかければ自信につながると思います。保護者の方は、おいしそうに食べる様子を見せたり「おいしい!」と大げさなくらい声に出してみましょう。つられて食べたら、「食べられるようになったの。成長したね」と言われれば嬉しいかもしれません。
また、パンを食べるときに「ポタージュにつけてみる?」「ジャムをつけてみる?」というように選択できるようにすると食事に興味を持つかもしれません。時には、ベランダや公園等でお友だちと一緒に食べたりすれば、気分転換にもなります。こぼしたり、立ち歩いたりしても、親も気になりません。
食べ物に触れさせる体験も大切です。お店で食材を選んだり、野菜等を洗ったり、型抜きしたり、食材に親しむことを一緒に楽しんでみましょう。
このようなやり取りによってもしだいに自分で食べるようになると思いますので、とにかく食べることは楽しいことだとたくさん教えてあげてください。
なかなか根気のいることですが、励ましたりほめたりしながら長い目で見守りましょう。