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病気・予防接種

Q. 生まれたばかりの子。脳室拡大があるとのことで不安でいっぱいです。 (2021.9)

  • (妊娠週数・月齢)0か月

出産したばかりなのですが、赤ちゃんが先天喘鳴かもしれないとのことで、大きな病院へ転院となりました。すると今度は、頭部がやや小さいということで超音波検査をすることに。その結果「両側の脳室拡大を認めます」という文章が書いてある書類を渡されました。よくわからなくて、脳室拡大という言葉をネットで調べ、書いてあることを読んで、怖くて不安で心が押しつぶされそうになりました。脳室拡大があるということは、どういうことなのでしょうか。

回答者: 板橋家頭夫先生

 大変心配されていることと思います。ご質問内容に、お子さんの情報が少なく、その他の所見があるかどうかもわかりませんので、一般論的な説明となってしまうことをご容赦ください。

 胎児期では、超音波検査で脳室拡大が観察されることが比較的多くあります(お子さんの場合はどうだったのでしょうか?)。胎児期の超音波検査で脳室拡大と判定されるのは、頭部水平断面で側脳室三角部の幅が10mm以上ある場合です。15mm以上の場合は高度な脳室拡大と考えられます(お子さんは何mmだったのでしょうか?)。

 脳室拡大が高度な場合は、脳脊髄液の循環が悪く脳圧が上昇することによることがしばしばです。さらに頭囲は拡大傾向です。原因のほとんどが脳脊髄液の循環を妨げる脳内の異常によるものです。脳圧を低下させるための手術が必要になることがあります。このようなタイプは、通常、妊娠中の定期健診で明らかになってきます。

 一方、側脳室三角部の幅が10mmに近い場合(<13 mm)は、軽度の脳室拡大と判定されます。軽度の脳室拡大は経過観察中に正常化することもしばしばで、この場合発達の遅れなどの神経学的な異常の出現も少ないと考えられます。しかし、妊娠早期の先天性感染(サイトメガロウイルス、トキソプラズマ感染症など)や染色体異常などでは軽度の脳室拡大や頭囲が小さい(多くは妊娠週数に比べて体重が小さい胎児発育不全も伴います)といった所見も見られます。軽度の側脳室拡大以外に明らかな所見が見られない場合でも、脳室拡大に変化がなければ、小児科医と相談の上、今後脳の画像診断やウイルス抗体検査など必要な検査を加えていく必要があるかもしれません。