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食事と栄養・離乳食

Q. 手づかみ食べをする9か月の子。離乳食で窒息しないか心配です。 (2022.7)

  • (妊娠週数・月齢)9か月

9か月になる子が、1か月ほど前から人に食べさせられるのをいやがるようになり、手づかみで食べたがるようになりました。けれども、まだ歯が生えておらず、丸飲みしがちで、手づかみできる形状のものでないと、うまくつかめず大泣きします。そして、自分で食べると口いっぱいに詰め込みたがるため、のどに詰まらせるのではないかと心配でたまりません。なので、口溶けのよいおせんべいを割ったものや、お焼きを1cm角に切ったもの等をひとつずつ目の前に置き、モグモグするように身振りや声かけをし続け、口の中のものがなくなったらまたひとつ食べ物を置く、という形で進めています。赤ちゃんの気道は1cmほどと聞いたので、これも危険でしょうか。おなかが限界まですくのを待って軟らかい離乳食を食べさせるべきなのか、いざとなったら救急車を呼び応急処置をすることを念頭におき、窒息の危険を感じつつ手づかみさせて見守るべきか、どうしたらいいのか困っています。窒息が不安で、離乳食の時間が負担です。

回答者: 太田百合子先生

 子ども自身が自分で食べることを一生懸命に学ぼうとしている様子が伝わってきます。順調に成長している反面、周りの人のかかわりも工夫が必要です。

 初めからうまくつかめないので悔しくて大泣きするのは仕方ありません。「つかめなくて悔しいね。せんべいにする? 上手につかめるね。モグモグね」などとなだめながら、励ましながら根気よく付き合っていきます。

 せんべいを割ったり、お焼きを1㎝角くらいにするのはよい対応といえます。このようにつかんで崩れない軟らかさのものを約1~2cm角程度にします。たとえば、蒸しパン、ゆでにんじん、じゃがいも、かぼちゃ、さやいんげんは一口大、いちご1/2個、みかんは薄皮をとって1房、煮りんごやバナナは1~2cm角程度くらいです。手づかみ食べは手を口元に正確に持っていき、食べ物を口に入れるという「口と手の協調運動」の練習になります。窒息が心配なときは、固形物を食べさせる前に水分で口の中を潤しましょう。

 前歯が上下生えてきたら、スティック状などにしてかじり取ることを学習していきます。薄いおにぎり(ラップでスティック状にしたもの)、パンは2cm角やスティック状、うどんは長さ2㎝、薄切りりんご、ゆで野菜は乱切り、輪切り、スティック状などで試していきます。

 適切な一口量を口に入れる、次の一口を食べるまでの間隔を自分で調節するといった、自分で考えて食べる力も発達します。一口かじり取ったら口から離す声がけや手の誘導や補助をすれば、詰め込みを予防できます。えずいたり、せき込んだり、多すぎて口から出したりすることが増えると思いますが、この時期はそうやって一口量を学んでいきます。質問内容を見る限りでは、上手に対応していますので、窒息の心配はほとんどないと思います。食べているときは、大人の見ている前で、座って落ち着いて食べさせることを心がけてください。