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病気・予防接種

Q. 生後3か月の子ですが、いままで揺さぶってあやしていました。 (2023.2)

  • (妊娠週数・月齢)3か月

生後3か月の赤ちゃんがいます。最近になって、赤ちゃんを揺さぶってはいけないということを知りました。横抱っこでリズムを刻むような感じで揺さぶったり、あやすつもりでゆらゆらと大きく揺らしていました。読んだ情報には、障害が残ると書いてあり、とても心配しています。もうすでに障害が残ってしまったのでしょうか? 見た感じでは普通の発達と変わらないように見え、発育も順調で異常はとくに見られません。いまからでも改善すれば大丈夫でしょうか?

回答者: 板橋家頭夫先生

 お母さんが心配しているのは、“乳幼児揺さぶられ症候群(英語では、Shaken Baby Syndrome)”のことだろうと思います。周りから見れば驚くほど強く・激しく乳幼児を揺さぶり、その結果起こる脳の損傷を乳幼児揺さぶられ症候群といい、典型的な場合には硬膜下出血、網膜出血、脳症(3徴候)によって意識障害やけいれん、視力障害、知的発達の遅れ、脳性まひなどが見られるとされています。

 本症候群は50年以上前に提唱され、しばしば乳幼児虐待に関連すると認識されていますが、虐待の意図がなくとも、高いところからの落下や交通事故などによる高エネルギー事故で3徴候が出現します。ただ、家庭内で高エネルギー事故による3徴候が出現するのは、強く揺さぶられることとの関連以外は考えにくいとするのが一般的です(この点についてはスウェーデンの医療技術評価委員会が「3徴候が強く揺さぶられたことによる脳損傷との関連性を示唆するに足るエビデンスがない」とする報告を公表し、世界中に大きな議論を呼びましたが、日本を含む多くの小児科学会はこれを否定している状況です)。

 さてお子さんについてですが、現状のあやし方で乳幼児揺さぶられ症候群が発生する可能性はありませんので、ご心配は不要かと思います。