赤ちゃん & 子育てインフォ

ホーム妊娠・子育て相談室インターネット相談室Q&Aバックナンバー病気・予防接種

病気・予防接種

Q. 後期早産児で低出生体重児だった娘。生活習慣病のリスクが気になります。 (2024.1)

  • (妊娠週数・月齢)1か月

35週4日で2,470gの女の子を出産しました。保育器には入りましたがとくに問題はなく、数日で出ることができました。けれども、後期早産児で低出生体重児の場合、出生時には問題がなかったとしても、成人してから生活習慣病などにかかるリスクが高くなるということを耳にしました。どれくらいリスクが高くなるのか、将来発症しないために、子どものころから気をつけるべきことがあるのかどうかを知りたいです。また、娘は現在生後1か月ですが、哺乳力が弱く母乳を直接飲めないため、搾乳して哺乳びんで与えています。飲むのに1時間ほどかかるのですが、時間をかけてでも、なるべく母乳をたくさん飲ませた方がよいのでしょうか? 疲れるので途中で切り上げた方がよいでしょうか? 母乳の方がミルクよりも免疫力がつくなど栄養面でよかったりするのでしょうか?

回答者: 東海林宏道先生

 お子様は生後1か月とのことで、いろいろとご心配も多い時期かと思います。まず、在胎35週4日、体重2,470gでご出生であれば、生後1か月の時点で在胎37週以降の正期産児と遜色なく授乳できていることが多いです。母乳がお子様にとって最良の栄養源であることは間違いないですが、哺乳びんで授乳ができて、母乳の直接授乳ができないという点について、母乳育児に精通した医師・助産師にご相談するのもよいと思います。そのうえで、「哺乳力が弱い」、「哺乳びんの授乳が1時間かかる」という状況が続いているのであれば、小児科医の診察や検査を受けた方がよいと思います。

 確かに、早産出生が将来の肥満発症リスクになるとの研究報告はありますが、重要なことは、これからも予防接種や健診時に体重、身長を測定して、その推移を母子手帳の発育曲線にプロットする(書き入れる)ことです。お子様は早産児なので、最初はプロットが下の方になってしまうと思いますが、上下2本の線の枠内で徐々に上向きとなるような(25g/日以上の体重増加が得られるような)授乳量を確保できて、今後も学童期に至るまで急激な体重増加をきたさないように注意していけば、とくに生活習慣病のリスクは上がらないように思います。