病気・予防接種
Q. 1歳の子。鼻水吸引器を使ってもすぐに鼻水がつまります。 (2024.6)
- (妊娠週数・月齢)1歳0か月
病院でアレルギー性鼻炎と言われたのですが、子どもの鼻水がよくつまるので、鼻水吸引器を購入して、こまめに吸引しています。しかし、吸引する→2~3分で鼻水がつまる→吸引する→2~3分で鼻水がつまる、の繰り返しです。どこまで吸引すればいいのかわかりません。眠れている場合は吸引しなくても大丈夫でしょうか。どういうときに吸引するといいのでしょうか。また、自分ではまだ鼻がかめない子どもの自宅での鼻水ケアの方法を教えてください。
回答者: 横田俊一郎先生
鼻がかめない子の鼻水への対応は、とても困ることが多く悩まされます。鼻がかめるようになるのは早くても3歳くらいですから、それまではお母さんや周囲の人が鼻水を取ってあげなくてはなりません。
1歳代の子どもの鼻水の原因で一番多いのは、いわゆる鼻かぜです。ウイルスの感染によるもので、自然に治りますが治るまでに時間がかかります。副鼻腔炎にもなりやすいので、鼻水は多量で長引くことが少なくありません。とくに保育園などの集団生活に入ったばかりのときに繰り返しかかることがあります。
1歳代のアレルギー性鼻炎は多いものではありません。スギ花粉症やダニアレルギーなどが原因となりますが、実際には鼻かぜとの区別は難しいことが多いです。本当のアレルギー性鼻炎であれば、抗アレルギー薬が有効なはずです。
いずれにしても鼻水が鼻の奥にたまっていると、鼻の奥は耳管という管で耳とつながっているので、中耳炎になりやすいという問題もあります。従ってたまっている鼻水はなるべく取り除いてあげるのがよいことは言うまでもありません。しかし、鼻水を取るのは簡単ではありません。
鼻水をすべて取り除くというのは困難ですし、現実的でもありません。どうしても取らなくてはならないのは、息ができない、飲み食いができない、夜眠れない、中耳炎を繰り返しているというときです。鼻水が出ていても、日常の生活に支障がなければ無理に取らずに治るのを待つだけで大丈夫です。鼻がつまって苦しそうに見えても、きちんと眠れているのであれば焦る必要はありません。
また、鼻かぜには特効薬がありません。鼻水を減らす目的の抗ヒスタミン薬、気道や粘膜の炎症を治すための薬(ムコダインなど)などが使われることが多いですが、効果は限定的と考えてよいでしょう。
鼻水の吸引の方法ですが、市販の鼻水吸い取り器を使うのがもっとも簡単です。保護者が口で吸うタイプ、スポイト状になっているタイプ、電動式などがあり、使いやすいものを選んでください。入浴中や入浴後、泣いたあとなどは鼻水が軟らかくなっているので吸いやすくなります。吸いにくいときには蒸しタオルで鼻を温め加湿する、あるいは鼻に生理食塩水を数滴垂らしてから吸引するという方法で吸いやすくなることがあります。
吸引の回数は、子どもの苦しさにもよりますが1日4〜5回くらいまでで十分です。あまり奥まで入れると充血している鼻の粘膜を傷つけ出血することがありますので、注意が必要です。また、子どもは嫌がって暴れることが多いので、ご両親2人がかりでしっかり固定して吸引するのがよいでしょう。
高い熱が出たり、あまりに症状が続くようなときには細菌感染を起こしていたり、ほかの病気であったりすることもありますので、必ず医師の診察を受けてください。