病気・予防接種
Q. 生後10か月。先天性耳瘻孔を切開後、月に1回腫れています。 (2024.8)
- (妊娠週数・月齢)10か月
生後10か月の娘に先天性耳瘻孔があります。7か月のときに耳瘻孔が腫れて膿が溜まり、切開しました。それから月に1回、腫れています。娘も病院に着いたら泣くようになりました。かわいそうでなりません。全身麻酔で切除する場合は、娘にどのくらいの負担がかかるのでしょうか。現在体重は8.3kg、身長70cmです。
回答者: 田中秀朋先生
先天性耳瘻孔(せんてんせいじろうこう)とは、生まれつき耳介(一般に“耳”と表現される部位)やその付け根付近にピンホールのような小さい穴が見られる疾患です。報告によって差がありますが、20人に1人くらいの頻度で見られるもので珍しいものではありません。穴の奥は落とし穴のように底があり、細長い袋のような状態になっています。病名はついていますが、膿が出たり、腫れたり、痛みを伴ったりするような問題を起こさなければ、成人になっても治療をする必要はありません。
相談のお子様はすでに感染を繰り返しているので、手術による外科治療が必要です。全身麻酔下で手術をするので、お子様本人は眠っている間に治療が終了します。その点ではお子様に精神的な負担はないと言ってよいでしょう。ただし、お子様に気管支喘息など呼吸器の病気があったりすると、全身麻酔が難しいために成長を待ったり、呼吸器疾患の治療を優先したりすることがあります。子どもの手術を日常的に行っている医療機関であれば、お子様の負担は最小限で手術による完全治癒が期待できると思います。