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病気・予防接種

Q. 生後1か月。肥厚性幽門狭窄症の手術をしましたが、早期発見は難しいのでしょうか。 (2025.7)

  • (妊娠週数・月齢)1か月

息子は、生後1か月からミルクを吐き戻すようになりました。最初は、「吐き戻しは赤ちゃんにはよくあることだ」と思っていましたが、吐き戻しの頻度と量が増え、不安になって産院に相談しました。小児科も受診しましたが、幽門狭窄症を疑う医師はいませんでした。その後、息子は幽門狭窄症と診断され、緊急手術をすることになりました。退院後に、保健師から「普通はこんなに吐き戻しをしない」と言われ、後悔や疑問が残りました。幽門狭窄症と普通の吐き戻しは、どのように違うのでしょうか。早期に診断されるには、どのようなことを医師に伝えるとよかったのでしょうか。

回答者: 東海林宏道先生

 ご質問ありがとうございます。生後1か月の手術でお子様やご家族は大変な思いをされたことと思います。
 肥厚性幽門狭窄症は、一般的に生後2週間~1か月ごろに出現し、病状が進行して幽門(胃の出口)が閉じてしまうと哺乳のたびに“噴水状嘔吐”がみられますが、嘔吐後も哺乳したがるという特徴があります。
 一方、生後2か月ごろまでは、胃と食道の間にある「下部食道括約筋」が十分に機能しておらず、胃の内容物が食道に逆流しやすいため、どの赤ちゃんにも哺乳後に生理的な嘔吐(溢乳)がみられる可能性があります。
 肥厚性幽門狭窄症の病初期は、診察だけで生理的な嘔吐と鑑別することが難しい場合があります。「嘔吐の回数と量が増えている」は重要なサインだったと思います。また、この時期の受診や相談の際には体重測定がとても重要ですので、「体重が増えない、あるいは減少している」「尿が濃くなり回数が減っている」「活気がなくなっている」といったことがあれば、医師にお伝えするのがよいと思います。