食事と栄養・離乳食
Q. 2歳6か月。自分から意欲的に食べるようになる方法を教えてください。 (2025.7)
- (妊娠週数・月齢)2歳
2歳6か月になる息子は、離乳食のころから手が汚れたり、口の周りに食べ物がつくことを嫌がります。以前、母から「手づかみ食べをさせずに(私を)育てた」と聞いたので、私も息子に手づかみ食べをさせませんでした。パンやお菓子などは手に持って食べるのですが、2歳半のいまでも、自分でコップ飲みをしたり、スプーンを使って食べようとはしません。ストローなら自分から飲みます。自分から意欲的に食べるようになるにはどうしたらよいのでしょうか。
回答者: 太田百合子先生
手が汚れることを嫌がっても、パンやお菓子は手に持って食べるということですので、問題はないようです。知恵がついてくる2歳ごろは、練習しないと食べられないことを面倒に思うようで、食べさせてもらうまで手を出しません。大人が根負けして食べさせるということが当たり前になってしまうことも多いものです。子どもの“自己主張”から一歩進んで、“駆け引き”のようなやりとりの始まりです。がまんできるようになるのは、もう少し先のことですから、誘ったり、褒めたり、励ましたりしつつ、子どもが挑戦したくなるような環境を作りましょう。
まずは、甘えたい気持ちが食事以外で満たされるように抱っこしたり、一緒に遊んだりする機会を作ります。挑戦しようとする気持ちは、心が満たされると芽生えます。自ら食べないときは、少しだけ食べさせてから「今度は自分で食べてみる? どれから食べる? おいしいよ」などと誘ったりしましょう。
食べるときの環境にも目を向けましょう。①食事の前はおなかがすいていること、②食事の前には一緒におもちゃを片づけ、テレビなどの映像は消す、手を洗ったりして食べるまでの動作を毎日同じにすること。
また③テーブル(腕を動かせるように胸からへその間にあること)と椅子の高さが合っていること(足裏が床にしっかりつくこと)、④使いやすい器やスプーン、フォークにすること、⑤食べ方を見て学ぶように、大人が対面で一緒においしそうに食べること、⑥スプーンが使いたくなる献立(カレー、シチュー、グラタン、ポテトサラダ、ヨーグルトなど)や、フォークが使いたくなる献立(しゅうまい、ハンバーグ、ナゲット、煮物、果物など)を用意することなど。
指先を使う遊びも大切です。たとえば、おままごとにスプーンやフォークを用意して一緒に食べる遊びをしたり、ブロックをつまむ、ボールをつかむ、投げることも食具使いが上手になる刺激になります。
ほかには食べる前にお手伝いをさせてみましょう。八百屋などで食べものを選んだり、野菜を洗う、ちぎる、混ぜるなど下ごしらえのお手伝いをしたりすると食べものに興味を持つことができるでしょう。
食事と遊びは、子どもの「できた!」という気持ちを育てるよい機会です。その喜びから「もっとやってみたい」という気持ちが生まれるので、大人はいろいろ試しつつ、できないときは無理せずに「そんな時期」と思いながら、長い目で見守ることも大切だと思ってください。