病気・予防接種
Q. 生後10か月。熱があるのに水分をとりません (2025.8)
- (妊娠週数・月齢)10か月
生後10か月の息子のことで相談です。38.0~38.5度の熱があり、小児科でかぜと言われました。元気はあるのですが機嫌が悪くて、水や麦茶を飲みません。母乳は少し飲んでいますが、どのくらい飲んでいるかわかりません。離乳食も食べません。水や麦茶を哺乳びんで飲ませようとしても首を振って飲もうとしません。脱水が心配なのですが、どのようにして水分補給をさせるとよいのでしょうか。ベビー用イオン飲料を与えるとよいのでしょうか。また暑い日の水分補給のポイントも教えてください。
回答者: 田中秀朋先生
発熱はあるものの元気はある。しかし機嫌が悪く、食欲も落ちていて、水や麦茶を飲まない状態とのことですね。「かぜ」と診断されたようですが、咳や鼻水などの症状がない場合、便秘の可能性もあります。今後、下痢が始まれば胃腸炎の初期症状ということも考えられます。
母乳をしっかり飲んでいて、尿が普段通り出ているのであれば、まずは様子を見てもよいでしょう。ただし、発熱の影響で水分も食事もとらない場合は、座薬などの解熱剤の使用が必要になることもあります。
2日以上便が出ていない場合や最後の排便がかたかった場合は、浣腸などで排便を促すとよいでしょう。脱水が心配なときは、母乳や人工乳のほか、経口補水液、みそ汁やスープ類などを活用しましょう。水や麦茶は塩分・糖分を含まないため吸収効率が悪く、脱水の予防・改善には不向きです。とくに胃腸炎の際には、これらが下痢を悪化させる恐れもあります。
もし液体を嫌がるようであれば、ゼリータイプの経口補水液が有効なこともあります。汗には水分だけでなく、塩分や鉄分も含まれています。暑い日に水や麦茶ばかりを大量に飲んでいると、失った塩分が補えずに体液のバランスが崩れ、食欲低下や吐き気、下痢につながる場合もあります。水分だけでなく、塩分・鉄分・たんぱく質など十分な栄養をとることが熱中症予防につながります。
今年は例年よりも気温が高い日が続いています。水分不足だけでなく、睡眠不足や栄養不足も熱中症のリスクを高めます。エアコンを適切に使ってぐっすり眠り、起床後は栄養のある食事をしっかりとって、元気に夏を乗り切りましょう!