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歯とお口のケア

Q. 1歳の子。転倒して歯が抜けてしまいました。影響や治療法を教えてください。 (2012.6)

  • (妊娠週数・月齢)1歳0か月

1歳の子です。先日、転倒して下の乳歯が抜けてしまいました。永久歯が生えるまで、歯がないままではかわいそうですし、噛むのにも影響があるのでは心配しています。たとえば差し歯のような、何か治療する手立てはないでしょうか?

回答者: 井上美津子先生

理解力が高くなったら、歯科で入れ歯のような装置を作ってもらえるか相談してみるのがよいでしょう。

 転倒により歯が抜けてしまう(脱落)事故は、小さなお子さんでは少なくありません。乳歯は、まだ歯を支える骨(歯槽骨)が未成熟なため、歯を打撲しても周囲の骨の方に影響が拡がって脱臼が起こりやすいのです。永久歯ですと、歯槽骨が硬くしっかりしているので、歯自体が破折してしまうことが多いのですが、乳歯では、歯がめり込む(埋入)、ぐらぐらになる(脱臼、動揺)、延びてしまう(挺出)、位置が変わってしまう(転位)とか、さらに強い力が加わると、お子さんのように抜けてしまう(脱落)などの症状が出やすくなります。

 転倒による外傷は前歯部に起こりやすく、上の前歯に多く見られますが、転び方によっては下の前歯にも起こります。

 1歳で前歯がなくなってしまいますと、永久歯が生えてくる6歳頃まで前歯がないことになり、やはりいくつかの影響が考えられます。前歯で食べ物をかみ切りにくい、発音に影響が出る、歯のない隙間に舌を出す癖(舌癖)が生じやすいなどが考えられ、また前歯がないことを他の子どもに指摘されて気にするなどの心理面での影響も考えられます。

 通常は下の前歯を上の前歯が被蓋する(被う)形になっているので、上の前歯に比べると下の前歯のほうが目立たず、機能的な影響も少ないものと考えられます。ただ、できれば欠損部を補ってあげたほうが機能面でも、心理面でも望ましいでしょう。

 成長期は顎も成長するため歯並びなども変化するので、成人のように固定式のブリッジのような装置で欠損部を補うことは不適です(ブリッジタイプにするには特別な装置が必要ですが、小さな乳歯には適用が難しい面があります)。差し歯は根までなくなった歯には使えませんし、骨に歯根を埋め込むインプラントなども子どもには適用されません。

 通常は入れ歯のような装置を使いますが、取り外しができる装置なので、お子さんが理解して自分で使う気持ちにならないとうまく使えません。早い子でも2歳半頃、通常は3歳ぐらいになって、お子さんとのコミュニケーションがとれるようになってから装置を作ります。

 ただ、小さな子どもの入れ歯は保険がききません。また、どこの歯科医院でも作ってもらえる、というものでもありませんので、小児をある程度専門に診ている歯科医院で相談してみてください。

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