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発育・発達

Q. 2歳半の男の子。発達相談で社会性の問題があると言われました。 (2012.6)

  • (妊娠週数・月齢)2歳

2歳半の男の子です。次のような行動で困っています。スーパーなどですぐに親から離れる。ほかの子の作った積み木を壊す。おもちゃの扱いが乱暴で投げたりする。ほかの子を押したりする。遊び場からなかなか帰れず、無理に帰ると大泣きする。おむつをはくのを嫌がり逃げまわる、などです。言葉の遅れはなく会話もできますが、上記の内容を紙に書いて発達相談に行ったところ、心理士から「社会性の問題で治らない」と言われました。補足すれば、スーパーではどこかに行っても戻って来たり、親の姿が見えなくなると探す。友だちと仲良く遊ぶときもある、です。ただ、気になるのは、小さい頃から人見知りがほとんどなく、友だちのお母さんの膝などにすわることがよくありました。発達障害の可能性を考えて対応したほうがいいのでしょうか。

回答者: 汐見稔幸先生

 ご心配の主旨はよくわかります。「治らない」というのは障害がある、という意味ですが、おそらく相談された心理士は「ADHD注意欠陥多動症候群」の可能性を指摘したのだと思います。私もご相談の内容からすると、多少のADHD傾向を感じます。

 ADHDというのは一般には、「不注意」と「多動性」と「衝動性」を伴う障害といわれています。もちろん人によってその特徴はさまざまですが、大まかにこの3つの特徴がある障害がADHDといわれます。

 「不注意」とは、細かな事柄に集中できなかったり、注意力が長続きせず忘れっぽい状態のこと。「多動性」というのは、落ち着きのなさや、静かにしていなければならない時に静かにできずしゃべったり走り回ったりすること。「衝動性」は、自分の気持ちをうまくコントロールできず、衝動的に物事を行ったりすることを指します。

 ご相談のお子さんはまだ2歳半ですから、単に落ち着きのないタイプにすぎないかもしれませんが、ADHDタイプである可能性も否定できません。

 ADHDタイプの原因はまだわかっていませんが、大きくなるにつれ、かなりの部分が克服されていきます。しかし、しばらくはお母さんも家族の方々も、多少の苦労は覚悟しておいたほうがいいかもしれません。

 不注意については、1回1回、ていねいに注意していくしかありませんが、多動と衝動を事前に防ぐことは難しいと思います。そういうことがあったときに、ていねいに、しかし毅然と、いけないことはいけないと指摘し続けるのが基本だと思います。ただし、その際に子どもの自尊心を損なうような言い方はしないようにしてください。大きくなると自分に自信がなくなりやすいタイプですから、あまり否定的に言わないことが大事です。

 エジソンもADHDタイプといわれていますが、母親は学校に適応しなかったエジソンを否定せず、自分で育てたことは有名です。坂本龍馬もADHDタイプだろうといわれていますし、かく言う私も実はADHDタイプだったように思います。いずれも、幼い頃に小さくまとめようとしないで、思い切って遊ばせて、少しずつ衝動や多動を克服するように持っていったのだと思います。

 くり返しますが、2歳半ではまだ明確なことは言えません。おそらく、多少ADHDの傾向があるかもしれない、というのがいまの率直な判断です。でも、それはダメなのではなく、さまざまな可能性を持った人物ということだと理解して育ててください。

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