赤ちゃん & 子育てインフォ

ホーム妊娠・子育て相談室インターネット相談室Q&Aバックナンバーママの気持ち

ママの気持ち

Q. 4歳の息子を叱りすぎては自己嫌悪に陥り、苦しくてたまりません。 (2012.8)

  • (妊娠週数・月齢)4歳

4歳7か月の男の子、ひとりっ子の母親です。息子が何をするにも私の言うことを一度で聞きません。いつも言い続けていることも積極的にやろうとしません。そのため、いちいち激しく怒鳴ったり、引っぱたいたりしてしまいます。怒り方も頻度もエスカレートしている自覚があります。必要以上にストレスを感じている自覚もあります。息子が大切で大好きで、そんな自分がいやでたまらないのに、どうしても息子を叱りすぎ、そのたびに自己嫌悪に陥り、母親としての自信がなくなっていきます。息子の成長への影響も不安でたまりません。平日はほぼ家におらず、土日も疲れきった夫にもイライラし、夫のいる日はさらにエスカレートし、自分がどうかなってしまいそうです。妻としても母としても自分を好きになれない日々が苦しくてたまりません。

回答者: 帆足暁子先生

 助けてほしいというあなたの思いが全面から伝わってきます。何とかしないとあなた自身が壊れてしまいそうです。

 何がいちばんあなたにとって苦しいことなのでしょうか。息子さんのことでしょうか?それとも、自分のことでしょうか。あるいは、夫に対する怒り? もしかするとその全部でしょうか。それくらいあなたの苦しさはいっぱいになっています。それを整理していくことが、まずは必要です。

 いちばんはじめは「あなた」のこと。

 自分を好きになれないことほどつらいことはありません。自己嫌悪に陥るような状況に追い込んだお子さんを恨みたくなるかもしれません。でも、原因は別のところにあります。

 あなたの強い怒りはどこからくるのでしょう。あなたは育ってくるなかで「親に言われたことはすぐにやる」「親の言うことを聞かないのは悪いこと」などのしつけを受けてきたのではないでしょうか。従わないと叱責されたり傷つけられたことがあるのに、お子さんが従わないから強い「怒り」になってしまうように思います。あるいは、従うのは当然だと思って大人になったのに、それに従わないお子さんに自分の価値観が崩される危機を感じ、阻止しようとしてしまうのかもしれません。

 つまり、原因はお子さんではなく、あなたの受けてきたしつけにある、ということです。そのときにぶつけられなかった強い怒りが心の底に抑え込まれていたのです。

 それから、第三者(たとえば夫)がいると自分の怒りをコントロールしやすくなるのではなく、さらにエスカレートしてしまうということは、その第三者(夫)に助けてもらいたいのだと思います。これだけ苦しいのだから何とか助けてほしいという、あなたのSOSです。夫はあなたのSOSに応えてくれるでしょうか。それとも、仕事で疲れきってしまい応えることもできない状況でしょうか。

 いまのあなたには、ゆとりや安心感がないように思います。子どもを育んでいくときに、そして結婚して他人と共同生活をしていくときに、必要不可欠なものです。それがあってはじめて、自分の受けたしつけのことや夫との関係を振り返ることができます。

 あなたを絶対に裏切らない味方だと思える人はいますか。もし、いなければ、これから探していきましょう。ゆとりや安心感はその人がもたらしてくれます。夫をそういう存在にすることもできるかもしれませんし、友人がそうかもしれません。子育ての専門員の人も可能性があります。あなたの生活に直接つながっていないから、安心してどんな思いも話すことができますし、守秘義務があり、絶対に信頼できるからです。そして適切なアドバイスを受けることができます。

 さて、次はお子さんのこと。

 なぜ、1度で言うことを聞かないのかわかりますか?言い続けていることも積極的にやろうとしないのはなぜでしょうか。「しない」のか「できない」のか、どちらでしょうか。

 4歳7か月ですと言葉の理解は大人並みにできていると思います。理解できているのに、「しない」「できない」ときには理由があります。もし、「しない」とするなら、ちょうど中間反抗期で口答えの時期にあるために「しない」。もしくは、自分の気持ちをわかってくれないから、その反抗として「しない」。

 「できない」とすれば、物事のペースがゆっくりでとりかかりに時間のかかるお子さんなので、テキパキしているあなたからすると「やろうとしない」と見えて怒ってしまうので、結果として「できない」。もしくは、言われたことのイメージがもてなかったり、状況の判断ができないなど、生活から学習する力が弱いために何度言われても「できない」。あるいは衝動性が強くて注意力が散漫なために「できない」。

 実は、親ごさんが「子どもがやろうとしない」と言うときには、さまざまな理由があるのです。その理由によって対応策を考えることになります。

 「しない」という反抗期であれば、小学低学年頃まで続きますが、順調な発達過程ですから淡々と対応すれば抜けていきます。「気持ちをわかってくれないから、しない」反抗であれば、怒る前に「どうしてしないの?」とお子さんの気持ちを聞いてみます。「面倒だから」という答えが返ってきても、「そう。だからしないの」とまずはいったん受け止めてから、「でも、ママはあなたにしてほしいと思う」と伝えてみます。大切なポイントは「あなたの気持ちを大切にしたいと思っているよ」という意志表示です。
ゆっくりペースで「できない」とすれば、あなたの待つ間隔を長くとるようにせざるを得ません。ゆっくりな子どもはその子のペースを守ってあげないと、どんどん動かない子どもに育ってしまいます。その子どものペースを守るために時間を多めにとったり、早くから準備したりしながら、結果として自分で「できた」という体験をたくさんさせることです。そうするとゆっくりではありますが、自分でできるようになっていきます。

 お子さんは4歳7か月ですが、小さい頃から同じようなことで苦労し、育てにくいと感じてきましたか? もしそうであれば、お子さんは発達の凹凸の特徴をもっているかもしれません。その場合は発達相談に行くことをおすすめします。

 大切なことはあなたが自分を好きになれるような自分であること。そのために、助けてもらえることは積極的に求めていきましょう。

 あなたのステキなところはどこですか?自分で自分の良さをちゃんとわかっていますか。こうやって子育て相談にSOSを発信できるということは、勇気あるあなたのステキなところのひとつですし、正直に自分のしていることを書けることもステキなことです。強い怒りを覚えてもお子さんを「大切で大好き」と言える、母親としてもっとも大切な気持ちをもっていることもステキなところのひとつです。

 お子さんに、あなたがお子さんを大切に思っていることを伝えてください。あなたが大好きだと思うお子さんの長所、「笑ってくれると幸せな気持ちになる」ことでも「寝顔がかわいい」でも、どんなことでもよいのです。子どもは母親に「大好き!」と言われて抱きしめられるほどうれしいことはありません。そして、そういう母親の期待に応えたいと思うようになっていきます。

インターネット相談室が本になりました!詳しくは妊娠・育児の応援ショップ 本の楽育まんてん堂へ。powered by 母子保健事業団 インターネット相談室は母子保健事業団の協賛により運営しています。