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歯とお口のケア

Q. 1歳2か月。入眠時と夜間の授乳でむし歯になるのではと心配です。 (2012.9)

  • (妊娠週数・月齢)1歳2か月

1歳2か月の女の子です。歯が生えるのが早く、もうほとんど生え揃っています。食事はよく食べ、成長も順調です。しかし、夕食を食べ終わるとすぐにおっぱいを欲しがり、歯みがきをする間もなく、おっぱいを飲みます。そして、たくさん飲んだあと、おっぱいを口にくわえたまま眠ってしまいます。夜中も1〜2度おっぱいを口に含みますが、たくさんは飲みません。しかし、おっぱいが出てこないと大泣きして1時間以上泣き続けます。おっぱいがあれば、そのまますぐに眠ってくれます。入眠時のおっぱいが癖になってしまっているのではないか、そのためむし歯になってしまうのではないかと心配です。ただ、娘が嫌がるまではおっぱいを続けたいと思っており、断乳はしたくありません。

回答者: 井上美津子先生

 たしかにむし歯のリスクはありますが、食生活に気を付けて、歯みがきタイムを確保して、リスクの軽減を図りましょう。

 お母さんのおっぱいが大好きな娘さんは、お母さんにとってかわいくてたまらない存在でしょうね。断乳(いまは卒乳という言葉を使いますが)せずに、できるだけ母乳を続けたい、という気持ちも理解できます。

 ただ、ご心配のようにむし歯のリスクも考慮する必要があります。歯が生えるのが早めで、もう奥歯(おそらく第一乳臼歯という最初の奥歯)まで生え揃っているということですから、離乳食もそろそろ終わって、家族と同じような食事をとっているのではないかと思います。味つけも濃いめになり、おやつや飲料で糖分の多い物をとり始めていると、むし歯のリスクは高くなりやすいです。

 よく「母乳ではむし歯にならない」といわれます。たしかに母乳とむし歯菌だけではむし歯はできません。しかし、母乳と砂糖とむし歯菌を一緒にするとむし歯はできやすくなります。すなわち、母乳のみを与えている乳児期前半ではむし歯のリスクはありませんが、1歳を過ぎて糖分の多い飲食物をとり始めているとむし歯のリスクが出てくるわけです。糖分がないとむし歯菌は歯の表面に定着できませんが、糖分を利用して菌が歯の表面に付着すると(プラークといわれるものです)、むし歯菌がいろいろな食べ物の糖分を分解して酸をつくるため、むし歯ができやすくなります。

 母乳も昼間飲んでいるときは唾液の分泌が盛んなので解消が速いのですが、寝る前や夜間は唾液の分泌がほとんどなくなるため母乳が口の中に溜まったままになりやすいのです。むし歯菌が住みついてしまっている子どもでは、寝る前や夜間の授乳がむし歯のリスクを高めやすくなります。

 できるだけ母乳を続けたい、でもむし歯の心配を減らしたい、という場合には、やはりそれなりの対応が必要です。

 ひとつは、むし歯菌のコントロールをどうするか、ということです。口の中のむし歯菌を減らすためには、歯みがきでプラークを取り除くことが重要です。むし歯菌の伝播や定着の状況を調べるためには、歯科医院でむし歯菌のリスクテストを実施する方法もありますが、すべての歯科医院で行っているとは限りません。

 歯みがきの時期は、食後が望ましいのですが、食後にみがけないときはまずお子さんの機嫌のよいときに行えばいいと思います。上の前歯に汚れがたまりやすいので、食後や授乳後にガーゼで拭いてあげるだけでも効果があるでしょう。口腔ケアがうまくできれば、母乳によるむし歯のリスクは減ります。

 もうひとつは、食生活に気を付けることです。砂糖を多く含む食品や飲み物を頻繁に与えていると、プラークが付きやすく、またその中でむし歯菌が繁殖しやすくなります。まず日常の生活リズムを整えて、よく遊び、よく眠ることで食事の規律性や食事への意欲を育てたいものです。そして糖分の多い飲食物をできるだけ控えることを奨めます。

 また、早めにかかりつけの歯科を決めて定期健診を受け、歯みがきの仕方を教わったり、フッ化物の塗布を受けることもお勧めです。母乳の継続がむし歯のリスクを招くのを避けて、お子さんの成長に合わせた卒乳時期を考えてください。

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