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発育・発達

Q. 生後3か月。クーイングがなく声を出す気配もありません。 (2012.9)

  • (妊娠週数・月齢)3か月

生後3か月になったばかりの娘です。育児書には、生後1〜2か月ころから「あー、うー」といったクーイングが始まると書いてありますが、娘は生後3か月になっても声を出す気配がありません。個人差があるのはわかっていますが、心配です。話しかけたり歌を歌ったり、コミュニケーションはとっているつもりです。生後3か月でクーイングがないのは、何か病気や障害の可能性を考えたほうがいいのでしょうか。また、これからどんなことに注意し、いつ、どのような場合に病院に行くべきでしょうか。

回答者: 多田裕先生

 乳児の発育や発達には、出生体重や妊娠期間など出生時の状況が大きな影響を与えます。ことばの発達も例外ではなく、たとえば早産で生まれた赤ちゃんなら修正月齢で考えなければなりませんが、ご相談のなかにそうした記載がないことから予定日前後にほぼ標準体重で生まれた赤ちゃんだと考えて、お答えします。

 まず、赤ちゃんのことばの発達について述べますと、赤ちゃんは新生児期からすでに声のするほうに顔を向けたり、お母さんが目を合わせてゆっくり顔を動かすと目で追ったり、大人の働きかけに応えて反応します。生後1〜2か月になるとその反応がより明確になり、親ごさんがあやすと笑ったり、泣いているときによしよしとなだめると泣きやんだりするようになります。やがて「あー、うー」と声を出すようになり(これをクーイングともいいます)、生後3か月前後にそれが「ばぶばぶ」など喃語と呼ばれる発声になって、1歳前後には最初のことばを発します。
 
 ご相談の赤ちゃんは生後3か月とのこと。ことばを獲得する前段階としてお母さんの働きかけに反応したり、ことばにならない声を出して口や声帯を使う練習を始める時期です。声を出さないことを心配しておられますが、その前提となるコミュニケーションの基礎である応答性についてはどうでしょうか。

 お母さんが歌ったり声をかけたり、あやしたりすると反応してくれる、働きかけに応えてくれるという実感があれば、大きな発達の遅れはないものと考えられます。しかし、応答性に不安があるときには、かかりつけの小児科クリニックなどで発達について遅れや問題がないかを確認していただくとよいと思います。

 応答性はあるが発声がないというとき、次に心配になるのが聴覚の問題です。最近では半数近くの赤ちゃんが生後すぐに「新生児聴覚スクリーニング検査」で耳の聞こえに問題がないかを確認していますが、地域や施設によっては受けていない赤ちゃんもいます。

 新生児聴覚スクリーニング検査とは、生後間もない時期に赤ちゃんが寝ている間に音を聞かせて、内耳や脳が正常に反応するかを自動的に分析する機械を用いた検査で、スクリーニング検査であることから漏れがないようにと「再検査」の幅を広くとってあることが特徴です。出産した病院などでこの検査を受けて「パス」の判定が出ていれば、聴覚に問題がないと考えます。また、検査は受けていないが日常生活のなかで音のするほうに顔を向ける、大きな音をたてるとビクッとするなど耳が聞こえていると思われる反応があれば、しばらく様子を見てもいいでしょう。

 しかし、検査を受けていない、そして耳の聞こえに不安があるという場合は、ぜひ検査を受けてください。聴覚は耳鼻科で音を聞かせて脳波の反応を見る聴性脳幹反応という検査で判定します。子どもでも検査は可能ですが、鎮静しなければならないので、赤ちゃんには簡便なスクリーニング検査が実施されます。生後3か月というのはスクリーニング検査が可能なギリギリの時期かと思います。近くの産院や小児科などに問い合わせてこの検査を実施しているところを見つけて相談してみてください。

 参考までにお伝えしますと、検査を受けて「再検査」とされても、すぐにはっきりと診断がつくわけではなく、さまざまな検査を重ねて最終的な診断に至ります。万一、聴覚に問題があると診断されても、適切な時期に補聴器を使う、人工内耳の手術をするなどいくつかの選択肢のなかから最善の方法を選びとることで、聴覚障害を克服することが可能です。しかし、その時期は早いほうが効果的なので、不安がある場合には早めに専門的な医療機関で検査を受けることが大事です。
 
 赤ちゃんのことばが出ないときに心配なのは、主に以上の2点ですが、ほかにも声帯に問題がある場合などさまざまな可能性がないわけではありません。まずはかかりつけの小児科医師に相談して、必要があれば専門的な医療機関を紹介してもらい、適切な検査を受けてください。そして問題がないとわかれば、いましておられるように赤ちゃんとのコミュニケーションを豊かにし、楽しい時間をともに過ごして言葉の発達を促すことが大事だと考えます。

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