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Q. 生後1か月。乳児湿疹と診断されました。ステロイドの正しい使い方を教えてください。 (2012.11)

  • (妊娠週数・月齢)1か月

生後1か月の女の子です。生後2週間から顔やからだにプツプツした湿疹ができて乳児湿疹と診断されました。とくに顔面と首まわりがひどく真っ赤になって浸出液も出るほどだったため、小児科でロコイドとワセリンを混合した軟膏を処方されました。数日でいったんはほとんどよくなりましたが、その後またプツプツとした湿疹が全身に出てきました。ステロイドの使用法について、小児科で「副作用を恐れて少量塗ると長引くので完全に消えるまではしっかり塗るように」と指導を受けましたが、次々に新しい湿疹が出てきて、どの程度の期間なら連続して塗っていいのかわかりません。とくに顔はステロイドの副作用が出やすいとも聞きます。正しい使い方について教えてください。

回答者: 横田俊一郎先生

 ステロイド外用薬の使用法についてはいろいろな見解がありますが、ここでは日本アレルギー学会のアトピー性皮膚炎診療ガイドラインの記載に沿って説明しようと思います。

 乳児湿疹は、赤ちゃんの皮脂の分泌が盛んな生後2か月までに、皮脂量の多い頭、顔、脇の下などに出る湿疹を指しています。生後1〜2か月をピークに頭やほっぺ、額などにできるニキビのような発疹(新生児ざそう)、髪の生え際やまゆ毛などにフケやかさぶたのようなものがつく脂漏性湿疹も乳児湿疹のひとつです。

 このような湿疹がなかなか治らない場合にはアトピー性皮膚炎である可能性も考えなくてはなりませんが、いずれにしても湿疹であることにかわりはなく、治療はアトピー性皮膚炎に準じた方法で行われることになります。

 ステロイド外用薬はアトピー性皮膚炎の治療の根幹をなしています。ステロイド外用薬には強さのランクがあり、湿疹の重症度に応じて使用するステロイドのランクが決められます。

 小児では副作用が出やすいことを考慮し、2歳未満では成人と比較してランクを下げる必要があり、中等症(皮膚が赤くなり粉をふき、ブツブツした発疹が少し出ている状態)ではマイルド以下のステロイド外用薬を使用するとされています。ご相談の赤ちゃんに使われているロコイドは5段階の下から2番目、「マイルド」に属すステロイド外用薬です。

 また、顔への使用については「経皮吸収の盛んな顔面、頸部などに関しては、極力ステロイド外用薬は使用すべきでなく、用いるとしても急性の病変に対して1週間程度の短期間の使用に留め、漸減、間欠投与、タクロリムス軟膏への変更などを考えるべきである」と書かれています。つまり、しっかり塗るのは1週間、その後は回数を減らす、他の保湿剤などに変更するなどを考慮すべきだとされているのです。

 ステロイド外用薬の外用量は、人差指の先端から第1関節部までチューブから押し出した量(約0.5g)が、手のひら2枚分を塗る量とされています。赤ちゃんの顔と首全体なら大人の手のひら約2枚分ですから、朝夕2回塗って、5日間で5gのチューブを使い切るということになります。ステロイド外用薬を塗っても効かないというときには、塗る量が少な過ぎるということがよくあります。

 次に塗り方ですが、朝夕2回、夕は入浴後に塗ることになっています。十分な保湿効果を得るためには、入浴後10分以内に塗ることがコツだと書かれています。塗る前に、手をきれいに洗うことも大切なことです。症状が改善したときは、すぐに塗ることを中止するのではなく、1日1回、2日に1回というように回数を減らして、症状がぶり返さないことを確かめながら減量、中止を考えることが必要です。

 副作用については「使用料を守り、症状に合わせて漸減する使用法であれば、3か月間使用しても一過性かつ可逆性の皮膚の副作用はみられるものの、全身性・不可逆性の副作用は生じないことが報告されている」と書かれています。皮膚が赤くなる、萎縮して薄くなるなどの副作用はみられるものの、使用を中止すれば元に戻るとされているのです。ステロイド外用薬が必要であれば、少なくとも3か月くらいは注意しながら継続してもよいと考えてよいでしょう。

 以上、日本アレルギー学会のアトピー性皮膚炎診療ガイドラインに沿って説明しましたが、最終的にはかかりつけ医と相談して方針を決めることが大切だと思います。

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