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妊娠中の気がかり(体重・食事・病気・体調など)

Q. 妊娠末期になって体重が急増し、むくみもひどくなりました。 (2012.12)

  • (妊娠週数・月齢)妊娠8か月 (28〜31週)

妊娠30週を過ぎてから急激に体重が増加しています。そのころから出始めたむくみがひどくなり、1週間で体重が6kg増えました。病院では、「血圧は正常で蛋白尿も出ていないので、生理的なむくみがひどい状態。出産後はむくみがひくので、いまは足をマッサージしたり高くして寝るなどで対応してください」と言われました。いま36週ですが、体重増加もむくみもひどく、夜には動くのもしんどいほどです。早産気味で安静にするよう言われているので運動もできません。すでに体重は17kgほど増加しましたが、出産を待つしかないのでしょうか。生活の工夫で少しでも改善できますか。

回答者: 遠藤俊子先生

 妊娠36週に入られて、非妊時から17kgの体重増加があるのですね。妊娠中の推奨体重増加量は、下記の表のようになります。体格区分は、妊娠前の体重をBMI(Body mass index):体重(kg)/身長(m)2でチェックします。たとえば 妊娠前は体重55kg、 身長160cmでしたら、55/1.62=21.5です。


 そのため、ご相談者はやや増えすぎには違いありませんが、病院では血圧も正常、蛋白尿も出ていないので、単なるむくみ(浮腫)だと言われたのですね。

 妊娠中の浮腫の発症率は30〜80%といわれ、多くの妊婦さんを悩ませています。かつては妊娠中毒症の症状のひとつといわれましたが、浮腫のみが認められた場合の母子の周産期予後に与える影響は少ないといわれています。現在では、単独の症状として浮腫のみが認められる病的な意義は少ないことがわかっています。

 浮腫発生のメカニズムは、胎児の発育によって子宮が大きくなり、下大静脈を圧迫し、その結果下肢からの静脈還流が減少して下肢にむくみが起こると考えられます。そのため妊娠末期のほうがひどくなります。健診時に受けたアドバイスのように、足を高くして休む、マッサージをする、弾性ハイソックスを履くなどの工夫は適切だと思われます。

 注意することや生活上の工夫は以下のようなことです。

①まれに、心・腎疾患などの疾患が存在していることもあるので、定期健康診査を必ず受けること。ただし、現在は尿検査や超音波検査、血液検査を受けているとのことで大丈夫でしょう。

②安静にすること。こちらも切迫早産気味で守られているようですね。

③減塩はあまりいわれていませんが、塩分摂取量は3〜10g/日くらいが目安です。薄味を心がけましょう。

④単なる浮腫では利尿剤などは使いません。

 こうした生活の工夫で、お産が終われば軽減すると思われます。

 以上、浮腫に関する注意点を述べましたが、浮腫なのか、脂肪の蓄積なのか実は難しいこともあります。妊娠中は母体の体内総水分量も相当ありますが、皮下脂肪も妊娠後半期には蓄積していくことが考えられます。食事摂取量はいかがでしょうか。総カロリーは妊娠末期でも2,400kcal程度で十分です。お産や授乳のために蓄えておこうと考えなくても大丈夫です。