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Q. 成長ホルモン投与を始めたら、むくみとだるさがあるようです。副作用では? (2013.11)

  • (妊娠週数・月齢)3歳

低身長のため、1週間前から成長ホルモンの投与を始めました。昨日から顔のむくみが続いており、もしかしたら薬の副作用ではないかと心配しています。そして、少しだるそうです。このまま成長ホルモンの投与を続けて問題ないでしょうか。子どもの発育や成長について長い目で見たとき、成長ホルモンを使用することのメリットと副作用などのリスクについて、どう考えればいいでしょうか。

回答者: 多田裕先生

 ご質問の「成長ホルモン投与の副作用」について考える前に、低身長症について簡単に説明しましょう。低身長症の原因はいくつかありますが、成長ホルモンの投与が行われるケースには、大きく分けて2つの場合があります。

 ひとつは成長ホルモンが分泌されないために背が伸びない場合で、「(脳)下垂体性低身長症」と呼ばれます。もうひとつは、ホルモンは分泌されているが体内での働きが十分でないために低身長になる場合で、低出生体重児で3歳頃になっても標準値に追いつかない「SGA性低身長症」などの場合です。

 低身長症の原因は他に、染色体疾患や甲状腺ホルモンの不足、副腎皮質ホルモンの過剰などがあり、血液検査やX線検査などで詳しく原因を調べて適切な治療を行います。

 成長ホルモンの分泌が不十分な場合には早期から、その他で成長ホルモンの適用がある低身長症では、一般的に3〜5歳頃を目安に治療を開始し、身長の伸びが止まる思春期までの数年間、注射によってホルモンを補う治療を行います。いまでは家庭で注射ができるようになり、治療の対象も広がっています。

 ご相談のお子さんも「成長ホルモンの投与を始めた」とありますから、このホルモンの分泌不足か、あるいはホルモンは正常に分泌しているが働きが十分ではないか、そのいずれかの場合と診断されたものと思います。

 成長ホルモンとは成長を促すホルモンで、背を高くしたりからだの代謝に影響したり、重要な働きを担っています。これが不足すると背が伸びないだけでなく、代謝が悪いために低血糖になるなど、さまざまな悪影響を及ぼします。それで、外から成長ホルモンを補う治療が行われるのです。この治療は「もともとからだにあるものの不足を補う」もので、長い治療経験のもとに行われています。治療が始められた当初は副作用も心配されましたが、これまでの経過から深刻な副作用が出る恐れは少ないと考えられています。

 ただ、前述したように成長ホルモンには代謝を良くする作用があるので、まれに血糖値が高くなったり、一時的に甲状腺ホルモンの分泌に影響が出たり、使い始めには水分がやや多くなってむくんだり、少し疲れやすくなったり、いくつかの反応が出る場合があります。まれに腎臓に影響することがありますが、多くの場合は一時的なもので、深刻な健康被害につながるものではないと考えられます。

 とはいえ、どんな薬も副作用が出る可能性がまったくないとは言い切れません。主治医による定期的なチェックを受けるとともに、心配な症状があればその都度、それが健康に悪影響を及ぼすものではないことを確かめてもらいながら、適切に治療を続けていくことが大事です。

 お子さんの成長を長い目で見たとき、この治療は単に身長が伸びるというだけではなく、いくつかの副次的なメリットがあることが報告されています。たとえば、代謝が改善し、身長が高くなることもあって自信がつき、日常生活が活発になるなど精神的なメリットが期待できる場合もあるようです。もちろん、身長が低いからといってすべてのお子さんが治療を受けなければならないというものではありませんが、この治療を受けたほうが良いと判断して開始されたのですから、困った副作用が出ていないかを主治医と相談しながら、治療の効果やメリットを信じて継続していかれたらよいと思います。

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