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病気・予防接種

Q. 生後3か月ですが麻しん(はしか)の流行が心配です (2007.6)

生後3か月の赤ちゃんがいます。麻しか(はしか)が流行っていると聞き、感染するのではないかと心配しています。上には、予防接種済みの幼稚園に通う5歳の子と、2歳の子がいます。麻しんの流行は、どのくらい続くのでしょうか? もしも赤ちゃんが麻しんに罹ってしまった場合、重症になる危険などがありますか? また、感染を防ぐための方法もお教えいただければと思います。

回答者: 多田裕先生

 麻しん(はしか)は非常に感染力の強い病気で、流行期は通常5月から7〜8月頃までですが、それ以外の時期でも感染することがあります。まず鼻水やセキ、発熱など風邪に似た症状があらわれ、目やにや結膜炎など目の炎症を伴うことも特徴のひとつです。2〜3日後に熱がいったん下がり、同時に全身に細かい発疹があらわれて再び熱が上がります。この発熱も数日で治まり、やがて全身の発疹も消えていきますが、セキの出始めから熱が治まって数日間は感染の危険があり、小学校などでは解熱後3日間は登校禁止の措置がとられることになっています。
 麻しんは重症化しやすく、脳炎や肺炎を引き起こしたり、死亡することもある恐い病気ですが、一度かかると終生の免疫ができて二度と感染することがありません。予防接種で弱めた麻しんウイルスを注射しても同様の抗体が得られ、感染を防ぐことができます。
 この抗体は胎盤を通して母体から胎児に移行するので、少なくとも生後半年、長ければ1歳近くまでの赤ちゃんはお母さんの抗体に守られて、麻しんにかかることはありません。この抗体は予防接種のウイルスもはね返してしまうので、予防接種は1歳過ぎの早い時期に受けましょうといわれるのです。
 予防接種によって95%の人に抗体ができますが、まれにうまくつかない場合があります。現在、15歳以上の若者に麻しんが大流行しているのは、子どものころ予防接種を打たなかった人や、このように予防接種が効かなかった人に感染が起こっているためです。
 さらに、昔のように麻しんが身近な感染症であったときは、予防接種や感染で得られた抗体が少なくなったころに麻しんのウイルスに接し、再び抗体が上がる機会があったのですが、いまはそういうチャンスもなく、抗体が下がっている人が増えたため、抗体があったはずなのに感染する人が出ているのが今回大人に流行した原因だと考えられています。このためアメリカなどでは麻しんの予防接種は2度することになっており、2006年からは日本でも小学校入学時に再度、予防接種をすることになりました。

 さて、ご相談の場合ですが、お母さんご自身が子どものころに麻しんにかかったことがあるか、あるいは予防接種をして抗体ができていれば生後3か月の赤ちゃんが麻しんにかかる心配はないとこれまでは言えたのですが、最近の感染のように抗体が下がっている場合は大人でも感染するので、この場合は赤ちゃんが罹患しないと断言はできなくなってしまいました。上の2人のお子さんは予防接種をしているので、感染する心配はないと考えていいでしょう。
 麻しんに限らず、幼い赤ちゃんを感染症から守る方法は、無用な外出を控えて人ごみを避ける、外から帰ったら手洗い・うがいをする、トイレから出たら石けんで手を洗うなど、ウイルスや細菌をからだに入れないよう注意するとともに、ワクチンがあるものは積極的に予防接種を受ける以外にありません。
 予防接種はしばしば副反応のリスクばかりが注目されがちですが、実際に感染症にかかったときのリスクを考えれば、いたずらに接種を怠るべきではないでしょう。しかも、予防接種は全員が受けてこそ効果が上がるもの。ご相談の赤ちゃんも1歳のお誕生日を過ぎたら、なるべく早く麻しんの予防接種を受けることをおすすめします。