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歯とお口のケア

Q. 4歳男児。レントゲン検査で過剰歯が見つかり手術をすすめられました。 (2008.9)

  • (妊娠週数・月齢)4歳

4歳の男の子です。歯科のレントゲン検査で、乳歯の上前歯と永久歯との間に過剰歯が1本見つかりました。反対方向を向いているので、永久歯に生え替わる前の5歳頃に上顎を切って骨を少し削り、取り除いたほうがよいと言われました。インターネットで調べたら、乳歯が抜けた穴から取り出す方法があるとか。息子の場合、反対方向を向いているためにそれは無理だということでしょうか。上顎を切って骨を削ることには痛みやリスクがあるように思い、ほかの方法はないものかと考えています。また、そもそも過剰歯は取り除かなければならないものでしょうか。放置すると、どんな弊害や問題が生じる可能性があるのでしょうか。

回答者: 井上美津子先生

 過剰歯は、それほど稀なものではありません。口の中に生えてくる過剰歯は0.2〜0.8%くらいですが、エックス線(レントゲン)写真を撮って発見されるものまで含めると1〜3%くらいの発現率です。

 過剰歯は発見したらすぐに取り除く必要のあるものではありませんが、永久歯の生え方や歯並びに影響したり、逆生(生える方向の逆を向いているもの)の過剰歯では周囲の膿胞が大きくなって骨を吸収したり、鼻の方に生えてくる可能性もありますので、状況に応じた対処が必要です。

 実際のエックス線写真を見ないと適切なアドバイスはできませんが、概略の治療方針をお話しします。

 過剰歯が通常の歯と同じ方向(順生といいます)を向いている場合は、過剰歯が生えるのを待って抜歯すればよいのですが、この場合にも、過剰歯の存在によって永久歯の前歯が生えにくいときには早めに抜歯します。

 反対方向を向いている(逆生)過剰歯の場合は、自然に生えてくることはありません。この場合も、永久歯が生えるのに障害(永久歯の生える経路に過剰歯がある場合など)になっていれば、永久歯に生え変わる前に抜歯する必要があり、5〜6歳までに処置します。

 永久歯が生えるのに支障がなければ、永久歯が生えてから歯並びなどへの影響を見て時期を決めます。過剰歯があるために永久歯の前歯の間に大きな隙間ができている場合には、前歯が生え揃う前に過剰歯を抜歯したほうが自然に隙間が減少します。歯並びに影響がない場合は、前歯の根ができあがってから抜歯を考えます(根が形成中はできるだけ浸襲が少ないほうがいいのです)。

 どうしても抜歯しなければならない、というものではありませんが、前述したように逆生の場合には鼻の方へ動く可能性があることや、歯の周囲に膿胞ができて骨を吸収する可能性があることなどを考えると、定期的に検査を行って、問題が生じたら対応する必要があるでしょう。

 手術は局所麻酔をして歯肉をはがして骨を削り、過剰歯を取り除くことになります。麻酔がしっかり効いていれば、それほど痛みはありませんが、恐怖心の強いお子さんは麻酔の注射そのものから大変かもしれません。私たちも状況は説明しますが、お子さんの協力状態などから手術の時期を考慮します。どうしても早めに抜歯する必要があったり(非協力なお子さんで)、過剰歯が深めで局所麻酔が効きにくそうな場合は全身麻酔で手術を行うこともあります。

 ご相談の場合は、乳歯と永久歯の間に過剰歯があるということなので、それほど深い位置にあるとは考えられません。ただし、乳歯が抜けた穴から取り出せる過剰歯はごく稀なものです。

 エックス線で永久歯の動き(生え方)や過剰歯の位置や動きなどを定期的に観察し、お子さんの協力性などを見ながら抜歯の時期などを見計らっていってください。