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気になる子どもの様子

Q. 2歳3か月の男児。女の子のように振る舞い、性同一性障害ではないかと不安です。 (2009.12)

  • (妊娠週数・月齢)2歳

2歳3か月の息子は小さい頃からピンク色が好きだったりスカートが好きだったりしたのですが、あまり気にせず放っておきました。しかし最近、スカートをはきたがったり、シンデレラなどのお姫様にあこがれたりするようになり、女の子のような話し方をするようになりました。ことばの発達も保育園のほかの男の子よりずっと早く、ある程度の会話が成り立つほどです。自分は女の子だと言ってききません。保育園の先生は「お母さんのようになりたいだけでは?」と言いますが、性同一性障害の表れではないかと思えて不安です。

回答者: 汐見稔幸先生

 たいへん難しいご質問です。

 性同一性障害の人の自覚の仕方はさまざまなようですが、中には、幼児期から自分の性に違和感を持つ人もいることがわかっています。たとえば日本性科学学会の理解マニュアルでは、幼児期から違和感を感じている人もいると説明したあと、「性同一性障害の強度が高い者は、出生の性別は男性なのに女性と思っていたり、女性なのに男性だと思っていることがあります。服装や遊びや行動は出生の性別とは異なったほうを好み、女児においては大人になればペニスが生えてくるものだと思っている者もいます。また、行動には目立った点はなくとも、この頃より性別を変えたいと空想したり、願ったりしている者もいます」と説明しています。

 でも、もっと後になって違和感が出てくるという人もいて、自覚の時期については一般化できないようです。

 今回のご質問の限りでは、その意味で、まだ断定できないとしか答えられません。絶対そうではないとお答えしたいのですが、そう言い切れる明確な理由も見つかりません。

 スカートは別として、ピンクを好むのは女の子、とお思いの節が感じられますが、これもいまのところそう言い切ることはできません。自然に育てば色の好みには必ず男女差が出てくるというデータはないと思います。ピンクを好む男の子だっていますから。

 そういう面から見ると、性同一性障害だとは断定できないということも納得してもらえると思います。だから、まだ正確なことは分からないと申し上げるしかない、と思うわけです。

 自分の性に気がつき、意識し出すのは、早い子では1歳代からだといわれていますので、2歳3か月でも、自分の性が自分の感覚と違うという感じを持つことはあり得るでしょう。自分は女の子だと言い張るというのも、すでに性意識を持っているからです。ですから、懸念されることに、まったく根拠はないとは言い切れないわけです。

 ただ、幼稚園の先生が言われるように、お母さんへの同一化が強くて、何でもお母さんにあこがれてしまう、ということも十分理由として考えられます。その場合は、今後もある程度そうした傾向は続くと思いますが、次第に男の子的な遊びなどもするようになり、懸念がいつの間にか消えていくということになるでしょう。

 対応の仕方については、無理に「あなたは男なんだから」と迫ると、もし仮に性同一性障害であることが判明したような場合には自分を理解してもらえなくてつらかったという感想を必ず持ちますので、いまのところ大丈夫だとは思いつつも無理矢理男の子らしく振る舞いなさいと厳しく接することは避けたほうがいいと思います。女の子風に振る舞い、遊びたがっても、「ダメでしょう」と言うのではなく、さりげなく「そうしたいのね」というように扱ってあげたほうが子どもの心の負担感が少なくてすむでしょう。

 あとは、お子さんの女子へのこだわりをできるだけ細かに記録しておいてください。それをもとに、心配な折には専門家に相談してください。