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発育・発達

Q. 生後5か月。新生児聴覚検査はパスしたのに再検査で問題があると言われました。 (2010.2)

  • (妊娠週数・月齢)5か月

生後5か月です。新生児聴力スクリーニングで両耳ともパスしましたが、寝ているときに大きな物音に一切反応しないため不安に思い、先日病院で精密検査を受けました。結果は、ABRで90db反応なし、EOEA検査でもリファーとなりました。CT検査では異常なしでした。息子は喃語がよく出ていて、あやすとキャッキャッと笑います。また、見えない方向からガラガラや太鼓を鳴らすと反応するように見え、まったく聞こえていないということが信じられません。ABRやEOEAでリファーとなっていても実際は聞こえているという可能性はありませんか。また、EOEA検査結果から内耳に問題があると言われましたが、成長とともに内耳機能が発達することは考えられませんか。私は妊娠中に風邪をひいたこともなく、息子も生後風邪をひいたり発熱したりしたことはありません。

回答者: 多田裕先生

 新生児聴覚スクリーニング検査とは生後間もない赤ちゃんに(多くは入院中の病院で)行うもので、耳が聞こえているかどうかを調べる検査です。音の刺激を与えて脳波の反応を見るABR検査と、音の刺激に内耳が反応しているかどうかを見るEOEA検査という2種類の検査があり、いずれも機械が赤ちゃんの反応を自動的に分析して「パス」か「リファー」の判断をします。これらの検査で「パス」になれば少なくとも新生児期には聞こえていたということですし、「リファー」なら再検査を行い、それでもリファーの場合には詳しい検査を受ける必要があります。

 この検査は、聴覚に異常がある赤ちゃんをできるだけ早期に発見して適切な療育をすることが、その後の言語の獲得やコミュニケーション能力の発達に大きな意味を持つことがわかったために10年ほど前から導入されたものです。

 しかし、生まれたばかりの赤ちゃんの聴覚は未熟で聞こえが悪い場合もあり、検査をしても大人のようにはっきりした反応が得られるわけではないために、正しい検査結果を得るのが難しい面もあります。そのデメリットを補うため、生まれたばかりの赤ちゃん全員に行うスクリーニング検査では「リファー」の幅を広くしてあることが特徴です。

 こうしたことから、リファーになった赤ちゃんがほんとうに聴覚に問題があるのか、それとも検査結果の幅によるものなのかをきちんと経過観察することが必要です。新生児期の検査では聞こえが悪かったけれども、その後の発達には問題がないことも多いのです。また逆に、まれですがご相談の赤ちゃんのように新生児期の検査ではパスしたけれども、その後に聞こえが悪いのではないかと気づいて再検査を行う場合もあります。いちばん多いのは中耳炎などの後天的な原因の難聴ですが、一部には神経性の難聴が進行することもあるといわれています。

 いずれの場合も1歳前後まで継続的な経過観察を行って、さらに詳しい検査をします。子どもの難聴の診断にはご相談にあるような機械による検査だけでなく、お子さんの音への反応を専門家が行動を通して調べることも必要です。

 このように継続的に聴覚の発達を診て正しい診断をし、適切な処置をするには専門の知識や経験が必要ですから、小児の難聴に詳しく治療経験も豊富な病院で診察を受けるとよいでしょう。そして主治医の先生の指示に従って、必要があれば補聴器を着けたり人工内耳を埋め込むなどの適切な対応をしていただければと思います。

 加えて、現在しておられるように赤ちゃんに大いに話しかけたり一緒に遊んだり、楽しく豊かな関わりを持つことを心がけてください。赤ちゃんの言語の獲得やコミュニケーションする力を育てるには、聴覚のみならず五感を豊かに刺激してあげることが大変重要なことだからです。これは聴覚に異常があっても無くても、すべての赤ちゃんの発達にとってとても良いことだと思います。

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