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病気・予防接種

Q. 幼稚園でりんご病が流行しています。病院を受診する目安と妊娠中の子への影響を教えてください。 (2010.9)

  • (妊娠週数・月齢)5歳
  • (妊娠週数・月齢)妊娠3か月 (8〜11週)

5歳の子を持つ、妊娠8週目の妊婦です。実はいま、幼稚園で「りんご病」が流行しています。発熱などの症状があまりない場合もあるようですが、もしも感染が疑われるときは、症状が軽くても病院を受診したほうがいいのでしょうか。また、上の子が感染した場合、妊娠中の第2子に影響が出る心配はありませんか。胎児への影響を防ぐ方法などがあれば、あわせて教えていただければと思います。

回答者: 横田俊一郎先生

 「りんご病」は医学的には伝染性紅斑と呼び、ヒトパルボウイルスB19というウイルスによる感染症です。潜伏期間は2〜3週で、両頬にやや盛り上がった赤い発疹が現れ、腕や太ももにも赤くブツブツした、あるいはレース状の発疹が出ます。りんごのようなほっぺになるのでりんご病と呼ばれますが、冬には寒さと乾燥で子どもの頬が赤くなることが多いので、手足の発疹の方が診断の決め手になります。熱はないことが多く、あっても微熱で、子どもは元気なことが大部分です。年長児や大人ではより発熱が多くなり、関節痛や頭痛を訴えることも多く、リウマチなどを疑われることがよくあります。発疹は数日から1週間程度で消えますが、強い日光に当たったり、入浴することなどによって再出現することが少なくありません。

 一般的にはこれらの軽い症状以外には症状がないことが多いのですが、この病気の病原体であるヒトパルボウィルスB19は、赤血球の基になる若い血液細胞に感染しやすく、生まれつき赤血球が壊れやすい病気のために若い血液細胞が多くなっている子どもに感染すると、 一時的に赤血球が作られなくなって急激な貧血を引き起こすことがあります。同じ理由で、若い血液細胞をたくさん持っている胎児にお母さんを通じて感染が起こると、強い貧血を起こして流産につながることがあるので、妊婦さんは注意が必要とされています。

 他の人への感染については、感染して1週間目くらいがもっともうつりやすいことがわかっていますが、このときには潜伏期でまだ症状はありませんので、注意のしようがありません。そして、発疹などの症状が出始める感染後2〜3週目には、他の人への感染力は極めて小さいことが判っていますので、本人が元気であれば、発疹が出てきたからといって幼稚園や保育園を休む必要はないのです。
また、発疹に対しても特別な治療は必要ありません。明らかにりんご病であると判断でき、本人が元気で問題がなければ、病院を受診する意味はないと言ってもよいでしょう。

 米国の感染症対策の指針となる教科書「Red Book 2009」には、いままでの流行時の観察から判断すると、りんご病の流行があっても流産の頻度はほとんど変わらないと書かれており、集団での流行時に、妊娠中の幼稚園や保育園などの先生が感染の危険を理由に休むことは薦められないと書かれています。

 お母さんがすでに免疫を持っていれば何の心配もありませんが、そうでないと幼稚園に通っている上のお子さんから感染する可能性はあります。しかし、お子さんに発疹が出て診断がついたときには、すでにお母さんへの感染は起こった後になりますので、対処の方法はないのです。免疫の有無は血液検査で確認できるのですが、予防法も治療法もありませんので、日本ではあまり検査は行わないのが一般的です。流産の頻度は極めて低いので、心配しすぎないのがよいと考えます。

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