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性格・親のかかわり・育て方

Q. 長男と次男が兄弟けんかを繰り返します。対応するときに注意することを教えてください。 (2011.4)

  • (妊娠週数・月齢)3歳
  • (妊娠週数・月齢)5歳

3人の男の子のママです。上の2人が兄弟げんかをします。経験から、けんかは必ずしも悪いものではないと思いますが、核家族で夫が不在がちでなぐさめ役も叱り役もしなくてはならず、気持ちを切り替えるのが難しいこともあって悪いのがどちらであろうとできるだけ話して聞かせたいと思います。しかし、5歳と3歳で力も理解力も差があるため、下の子がとてもいじけているように見えます(ほとんど兄に因縁をつけている感じです)。私は関与しないほうがいいのかとも思いますが、母親がひとりで兄弟げんかに対応する際に気をつけることや仲裁するときに心がけなければならないことがあれば教えてください。

回答者: 汐見稔幸先生

 確かにそうですね。わが家でも3人兄弟の下2人が2歳違いの男で、けんかしている時間としていない時間が同じぐらいではないかと思うくらい、けんかばかりしていました。兄は頭に来るとすぐ弟を殴ってしまうので、弟のほうは兄をうらむようになるのではないかと気になりました。男兄弟の場合はとくにけんかが多いようです。

 けんかのきっかけはさまざまで、仲良く遊んでいてもちょっとしたことでモノの奪い合いになったり、片方の気分が害されてもそれをうまく解決できないで口論が始まって……ということが多いようです。傍にいる親のほうはうるさくて仕方ないのですが、子どものほうは「兄弟ってそんなもの」という感じで、親ほどは気にしていないようです。けんかが始まると、親はしばらくはがまんして見ていても、やがてうるさくて仕方ないとか、兄のほうが勝手で弟がかわいそうだとか思って次第にカッカしてきて、「やめなさい!」と大声で怒鳴りがちです。しかし、怒鳴ったり「お兄ちゃんが悪い!」と片方だけを責めても、子どものほうは「何で自分だけ責められるのだ?」と思いますから、それでやめることはまずありません。すると、親のほうは「やめなさいって言っているのに、どうしてやめないの!?」となって、さらにに怒鳴る声が大きくなっていくというパターンが大部分です。

 兄弟げんかに、「こうすればうまく止めさせることができる」という特効薬のような仲裁の方法はありません。しかし、仲裁する場合の原則のようなものはあります。それは、親は子どもの審判者になってはいけないということです。「おまえが悪い」とか「あんたがこうやるから」とか、どちらかを問題にするということは避けてほしいのです。そもそもけんかは、コミュニケーションの力が不十分なのに濃密にかかわることから起こるので、親は子どもたちのコミュニケーションを手助けするという原則でかかわるべきです。

 けんかになってこのままではまずいなという局面になったら「ちょっと待って!」と介入し、「お兄ちゃんはどうして怒っているの?」と聞き、その内容を弟に「お兄ちゃんは○○と言っているけど、あなたはそれではイヤなの?」と、弟の言い分を聞いてやります。今度は「弟は××と言っているけど、お兄ちゃんはできないの?」と聞き、また「お兄ちゃんは○○だからできないと言っているけど、あなたはそれでもイヤなの?」「弟は××だったらいいと言っているけど、それではだめ?」と、2人のコミュニケーションをていねいに手伝ってあげて、少しずつ落ちついてくるのを待つのです。

 親は審判者になるのではなく行司役あるいはメッセンジャーになるわけです。やりとりの手伝い役ですね。そのプロセスで、少しずつ親の提案を入れていって解決を手伝います。

 兄弟げんかを仲裁するにはこうした原則がいちばん大事なように思います。もちろん、原則ですから、これでうまくいくとは限りませんが、できるだけこの原則に沿ってやってみると多少は緩和する可能性があると思います。

 そうして、日常の生活では、たとえば食事作りを子どもに手伝ってもらうなど、兄弟が仲良くできる場面を工夫されるといいと思います。また、「お兄ちゃんは科学者タイプね」「弟は芸術家タイプね」などとそれぞれの良いところがまったく違うので面白い、それぞれの良さが違うことを子ども自身が認めるようになることが大事だと思います。そうはいっても兄弟げんかがなくなることはありませんが、しばらくたつと「この間まで、あんたたちは年中けんかしていたのにね」などと言える日が来ます。しばらくのがまんです。