赤ちゃん & 子育てインフォ

ホーム妊娠・子育て相談室インターネット相談室Q&Aバックナンバー妊娠中の気がかり(タバコ・アルコール・薬・レントゲンなど)

妊娠中の気がかり(タバコ・アルコール・薬・レントゲンなど)

Q. 妊娠初期に歯科で麻酔とレントゲン撮影を受けてしまいました。 (2012.3)

  • (妊娠週数・月齢)妊娠2か月 (4〜7週)

妊娠に気づかず、妊娠初期に2回、歯科治療を受けてしまいました。1回目はむし歯治療のために麻酔を1か所、レントゲン写真を1枚撮りました。その1週間後にも麻酔1か所とレントゲン写真3枚を撮りました。妊娠初期の歯科の麻酔やレントゲン撮影が胎児に及ぼす影響はどんなものでしょうか。奇形などが出現する可能性はありますか。

回答者: 井上美津子先生

 歯科が用いる麻酔やレントゲン撮影は腹部から離れているため、影響は少ないものと考えていいでしょう。

 歯科で通常用いる麻酔は浸潤麻酔といって、歯の周囲の神経(歯髄)を麻痺させるものであり、麻酔の効果は局所的で一過性です。また、局所で分解されるため全身的にはほとんど影響がないといわれています。含まれている血管収縮剤が子宮を収縮させて早産につながる可能性があるといわれる局所麻酔薬もありますが、それほど一般的に使われているものはなく、また初期では問題ないでしょう。

 レントゲン写真の撮影も胸部や腹部に直接照射するような撮影については、妊娠中は避けたほうがいいと思われますが、口腔領域に限ったレントゲン撮影なら問題ないでしょう。最近は散乱線も少なくなり、フィルムの感度も高くなったので被ばく量は低くなっており、歯の状態を見るために撮影されたレントゲン写真なら問題ないと思われます(CTなどは線量がやや高くなります)。

 人間は通常生活しているだけでも自然に放射線を浴びているので、年間2.4mSv(世界平均)くらいは被ばくしているといわれています。歯科用レントゲン写真1枚で約0.01mSvといわれていますので、通常の歯科治療で撮影される枚数程度なら心配ないでしょう。

 妊娠中のレントゲン撮影では胎児への被ばくを気にされる方には防護エプロン(鉛の入ったもの)をお勧めしていますが、最近の見解ではとくに必要ないともいわれています。

 妊娠初期は胎児の諸器官がつくられる時期なので、できれば余分な侵襲を避けるに越したことはありません。しかし、妊娠中はホルモンの関係で歯肉炎ができやすくなったり、唾液の粘稠性が増して口腔内の自浄性が低下します。また、つわりや食事回数の増加など口腔内の汚れも多くなりがちです。そのためむし歯や歯周病の進行なども生じやすいものです。

 出産近くなって歯が痛みだしたら大変です。治療を済ませたことを肯定的に受け止めて、これから出産までお口のトラブルが起こらないように口腔ケアに気をつけてください。

インターネット相談室が本になりました!詳しくは妊娠・育児の応援ショップ 本の楽育まんてん堂へ。powered by 母子保健事業団 インターネット相談室は母子保健事業団の協賛により運営しています。