Part2 赤ちゃんの発育発達と親子あそび
6か月頃の赤ちゃん
~食べることは話すこと。楽しくおいしく離乳食を~
生まれてすぐから赤ちゃんはおっぱいを飲むために、お母さんのおっぱいを探し当てるための「口唇探索反射」や、乳首を口に含むと舌が波打つように動いておっぱいを吸い出す「吸てつ反射」をもって生まれてきました。その「吸てつ反射」が消えるのは、生後5か月ごろ。おっぱい以外の食べ物を受け入れる準備が整います。
動物にとって、食べ物を食べることは、命をつなぐことです。でもこの時期の赤ちゃんにとっては、まだおっぱいがあれば栄養としては十分。
離乳食は、いろいろな味に慣れ、お口をもぐもぐしたり、ごっくんと飲み込んだりする練習です。
赤ちゃんはかなりのグルメ。舌が味を感じる細胞(味蕾)の数は、赤ちゃん時代がもっとも多く、大人になるにつれて減っていきます。味に敏感な赤ちゃん時代は、だしのうまみや食材の味を覚えるのにもっとも適しているともいえます。薄味で本物の味を味わわせてあげたいですね(離乳食については、「はじめての離乳食」も参考にしてください)。
そして人間の赤ちゃんにとっての離乳食は、人間にしかない、もうひとつの非常に大切な発達を支える行為でもあります。それは「話すこと」。
食べ物を食べるときに、私たちはとても複雑な舌の動きをしています。食べ物を舌の真ん中をくぼませて固定しながら、少しずつ奥歯の上に送ったり、反対側に移したり、かみくだいた食べ物を飲み込むためにのどの奥に送ったり。こうした動きの練習をするのが離乳食で、それはそのまま、いろいろな発音をするための舌の動きの練習にもなっているのです。
この時期の赤ちゃんは、一番慣れ親しんだ人と、それ以外の人を区別できるようになり、見慣れない人に対しては不安を感じて、拒否したり泣き出したりという、「人見知り」が始まる赤ちゃんもいます。お母さんは大変ですが、それだけ知恵がついたということです。
人見知りは、2歳過ぎまで持ち越す子もいれば、ほとんど人見知りしない子もいます。お母さんの育て方とは関係なく、赤ちゃんそれぞれの個性です。「こういう時期なのね」と、気楽にかまえてください。
おつむてんてん
ひとりで座ることはまだちょっと難しい赤ちゃんも、お母さんのひざに座るのは大好き。ひざに赤ちゃんを乗せて座ったら、赤ちゃんのお手手をもって、手あそびをしましょう。
「おつむてんてん、ひじぽんぽん」や「かいぐりかいぐり、とっとのめ」など、お母さんが知っている手あそび歌ならなんでもOK。何か月かたったら、今度はお母さんの歌にあわせて、赤ちゃん一人でもできるようになりますよ。