Part2 赤ちゃんの発育発達と親子あそび
7か月頃の赤ちゃん
~おすわりで、両手の自由を手に入れます~

寝返りで、自分の姿勢を変える方法を身につけた赤ちゃん。うつぶせで、欲しいものに手を伸ばす赤ちゃんの姿勢をよく見てみると、反対側のひじにからだの重心をうつし、伸ばした手と同じほうの足を少し前に出し、バランスをとっています。この姿勢のまま、伸ばしたほうの手を床につっぱると、上半身が浮きます。そして、ひじで支えていたほうの手も伸ばすと、手はついたままですが、「おすわり」の姿勢になります。
そして、「おもちゃをさわりたい、遊びたい」という好奇心や探究心から、やがて手で支えていた体重を骨盤のほうに移して手を床から離し、赤ちゃんは両手の自由を手に入れるのです。
もちろん、おすわり初心者の赤ちゃんは、すぐに重心をくずしてひっくりかえってしまいます。でもこのゆらゆら不安定な姿勢のなかで、バランスをとって座る練習を積み重ね、やがてじょうずにおすわりできるようになります。クッションなどで危なくないように守りながら、赤ちゃんのチャレンジを見守ってあげてください。
両手が自由になった赤ちゃんは、おもちゃを両手であつかえるようになります。おもちゃを持ち替えたり、両手にふたつおもちゃをもって、カチカチとぶつけて音をだしたり。こうしたあそびのひとつひとつが、赤ちゃんの脳に刺激をあたえ、脳の神経ネットワークを発達させていきます。

いないいないばあ
お母さんやお父さんの顔が隠れて、次の瞬間には「ばあ!」と現れる。その瞬間を期待しながら待つのが楽しいあそびです。このころの赤ちゃんは、ものごとの因果関係のようなものを、理解しはじめています。だから、「いないいない」から「ばあ!」までのあいだを、「出てくるぞ、出てくるぞ!」とワクワクしながら待てるのです。
とはいえ、待てるのはまだ、ほんの数秒。あんまり間をとりすぎると、赤ちゃんの興味は別のものに移ってしまいます。だから「いないいない……ばあ!」くらいがちょうどよいのです。
赤ちゃんの成長にあわせて、赤ちゃんの顔にハンカチをかけて、赤ちゃんがそれを取るのにあわせて「ばあ!」と声をかけるとか、カーテンやふすまのかげに隠れてやってみるなど、さまざまなバリエーションで、長くあそべるあそびです。