Part2 赤ちゃんの発育発達と親子あそび
9か月頃の赤ちゃん
~移動の自由を手に入れて、自立への一歩を踏み出します~

うつぶせの姿勢から上半身を起こし、手を離したのが「おすわり」なら、同じ姿勢から腰をあげ、手のひらとひざでからだを支えるのが、「はいはい」の姿勢です。はじめのうちは、腰をおとしていますが、そのまま前後にゆらゆらとからだを揺らしているうちに、腰があがってはいはいの姿勢をとれるようになります。
赤ちゃんに「はいはい」をさせるのは、やはり「あれがほしい」「あそこに行きたい」という意欲でしょう。うつぶせでほしいおもちゃに手を伸ばし、何とかおもちゃがあるところまで行こうと、ひざやひじをつかって前に進むのがずりばい。そこにおすわりの過程でおぼえたはいはいの姿勢が組み合わさって移動できるようになるのです。
このころの赤ちゃんは、かなりの芸達者にもなっています。これまで手を持っていっしょにやっていた「おつむてんてん」などの手あそびをやってみせてくれたり、お母さんがやってみせたしぐさを真似してくれたりして、大人を喜ばせてくれます。
でもそれも、大人が「やって!」と無理じいするのでなく、赤ちゃんが「ママの喜ぶ顔が見たい」「このあそびは楽しいからやりたい」という気持ちがあってできること。赤ちゃんの見ているものや気持ちに大人のほうがあわせて、その気持ちを共有することが大切です。

まてまて?!
はいはいをおぼえ、自分で移動することができるようになり、ひとりあそびも上手になった赤ちゃんですが、実は周りの人が自分のしたことを見てどんな反応を返してくれるかをうかがっています。おむつ替えのときに、赤ちゃんがはいはいで逃げだしてしまったら、おむつをもって「まてまて?!」と追いかけてみて。赤ちゃんは逃げながら、追いかけてくるお母さんのことをちゃんと意識して、振り返ったり止まって待ってみたりします。
追いついてつかまえたら、「こちょこちょ?!」とくすぐりっこもいいですね。