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ホーム連載・読み物 インタビューシリーズ第4回 yukiさん

インタビューシリーズ:親も子もトライ&エラー

日々、親ごさんと接しているかたや、子育て奮闘中のかたにお話を伺っていきます。

シリーズ第4回
輝く女性のための
マタニティウエアをつくりたくて

yukiさん

yukiさん
プロフィール
有限会社 W Stork
マタニティウェア・マビッシュ ファブリカン デザイナー

妊娠しても、いつも着ている服と同じテイストの服が着たい・・・そう思うプレママは少なくないはず。
今回は、そんな思いから自分が着たいマタニティウエアを作ろうと、自らブランドを立ち上げたyukiさんの登場です。楽しく元気になるお話を伺いました。

2007年7月17日掲載

自分が着たい
マタニティウエアがない

編集部:マタニティウエアの制作・販売を始めたきっかけは?

yuki:きっかけは二つあります。

一つには、自分が着たいマタニティウエアが見つからなかったこと。アパレルのショップで働いていて、それまで最新のものを毎日着ていたのに、妊娠し、いざマタニティウエアを買おうと思っても、ピンと来るものが市場にない。二度もそれを体験してそれならいっそ、自分で作ってしまおうと思ったんです。

  もう一つの理由は、当時、洋服のショップで働いていて夜が遅かったこと。2人の子を預けて遅くまで働くことに限界を感じて、第二子を出産することが、ライフスタイルを変えるいいタイミングかもしれないと思った。

yukiさん

編集部:妊娠中に新しい仕事をスタートされた。多くの女性は産休で仕事を休んだり、辞めたりする時期ですよね?

yuki:まず、仕事をしない生活は、私には考えられなかった。それに、かえって妊娠中のほうが、自分の商品の着心地を確かめられて都合がよかったんです(笑)
  妊娠8か月くらいのときに「やろう!」と決心して、最初の商品が出来上がったのが、生まれる数日前でした。

編集部:ずいぶん短期間で準備されたんですね! 大変だったのでは?

yuki:昼間は、まだショップに勤めていたので、準備はもっぱら夜でした。ホームページを作ったり、掲示板に「マタニティウエアをつくります」と告知したり。商品が出来上がったらホームページに載せて、初めての注文をいただいて・・・・・・と、入院直前までパソコンの前で仕事していました(笑)
仕事柄、新製品を作る手順はわかっていましたし、最初はチュニック2型にジーンズが1型と、アイテム数も少なかったので、なんとか準備できました。

「自分らしいスタイルを大切にしたい」
という思いに、共感してもらえた

編集部:ホームページを見てくれる人がいるだろうか? とか、うまくいかなかったらどうしよう? といった不安はありませんでしたか?

yuki:うまくいかなかったら・・・ということは考えませんでしたね(笑)
ホームページは、自分なりに勉強して、検索エンジンで上位にくるようにしたり、モールに登録したりして工夫をしましたし、商品も、自分の持っている資金でまかなえる最低限の数しか作りませんでした。3商品を数十枚ずつくらい。

編集部:出来上がってすぐに注文が入ったのは、すばらしいですね。

yuki:商品が出来上がる前から、ホームページの掲示板に「おしゃれなマタニティウエアを作るので、ぜひ見に来てほしい」と書いていたんですね。そうしたら、何人かが「楽しみにしています」と書き込んでくれて、出来上がったら、本当に買ってくださったんです。顔も見えないネット通販で私の言葉を信用してくださったのがとても嬉しかった。
きっと、私と同じ思いを抱いている人がいたのでしょう。

編集部:同じ思いとは?

yuki:私にとってマタニティウエアは、「限られた期間だけだから何を着ていてもいい服」とは思えなかった。同じ着るなら、自分を素敵に見せてくれる服を着たいし、いつもと同じテイストの服を着たい。自分らしいスタイルを大切にしたい。
・・・・・・そういう思いをホームページ上で綴ったわけですが、そこに共感してくれる人がいたんだと思います。

ほとんどの人は、「自分自身のスタイル」を持っていますよね。紺色が好きな人もいるし、シンプルなスタイルが好きな人もいる。それが、妊娠したからといって急に、ピンクやリボンつきの服を着たくなるわけではないのに、当時は、選択肢が少なかった。

ジーンズの1作目は
すぐ売り切れに

編集部:マビッシュのホームページは、シンプルでスタイリッシュなデザインですね。

yuki:マタニティというと、ママと赤ちゃん=「甘い」「幸せ」「淡い色」をイメージする人もいるでしょう。そういうイメージも素敵だと思います。でも私は、「母になる幸せを感じること」イコール「見た目もお母さんっぽくなること」とは違うと思ったんです。
ホームページでも、プレママのためのファッションというよりは、「ひとりの女性のためのファッション」を前面に出すようにしました。

編集部:それにしても、順調な滑り出しでしたね。

yuki:注文してくれたお客様のおかげです。

編集部:皆さん、yukiさんの服のどんなところに惹かれたのでしょう?

yuki:マビッシュでは、とくにデニムにこだわって作ってきました。立ち上げ当時、本当にデニムらしい質感・ラインのマタニティージーンズはまだ出回っていませんでした。でも、私がデニムを好きなように、この質感を求めている人が必ずいるに違いない。そう思って、国産で、でも金額をできるだけ抑えたものを作ったら、1型目がすぐに売り切れたんです。

編集部:すごいですね!

yuki:それで、立ち上げの直後には、全国誌の通販のかたに声をかけていただけました。

サイズ相談から
愚痴やおしゃべりまで

編集部:サイズの相談も受けていらっしゃいますね?

yuki:ええ。商品のことは、私がいちばんよく知っているので、サイズについては、メールで私が応じるようにしています。

最初はサイズのお話をしていても、日々の生活の話や愚痴に発展することも少なくないですね。妊娠中って、何かと不安になる時期でしょう? お客様というより女同士のおしゃべりをしているようで楽しい。「洋服を売っている」というより、いい仕事をさせてもらっている、という感覚ですね。
サイズ交換などさせてもらうときも、「お手間をかけてすみません」と言ってくださるようなお客様ばかりで。

編集部:制作から販売まで、yukiさんがこだわりをもってやっていらっしゃるイメージがあるからでは?

yuki:たしかに、1年くらい前までは、「こうやって包んだほうが、かわいく見える!」と、梱包にも細かいこだわりがあって(笑)、ずっと自分でやっていたんです、メッセージも添えて。

今ではもう、スタッフが私以上に配慮してやってくれるようになって、完全に任せられるようになりました。

同世代の女性のライフスタイルを
提案していきたい

編集部:お子さんは、いま何歳ですか?

yuki:9歳と4歳です。下の子は保育園に預けていますが、今日みたいに東京出張のときは、お迎えは実家の母に頼んでいます。家族の協力があるからこそ、仕事ができる。家族にはほんとうに感謝しています。

編集部:yukiさんにとって、お子さんはどんな存在ですか?

yuki:子どもは宝物!です。子どもがいるから、がんばって仕事ができる。

yukiさん

「妊娠はしていませんが(笑)」と、取材当日はマビッシュの服で

編集部:お仕事は、今後、どんな方向をめざしていますか?

yuki:とくに何というのはありませんが、服だけ、マタニティだけ、というのではなく、同世代の女性のライフスタイル全般に関わっていきたい。とくに、小さいお子さんを連れだと、ゆっくりウインドウショッピングもできないと思うので、アクセサリーや小物など、さまざまなものを提案していきたいですね。