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友だち・遊び・テレビ

Q. 繊細で悲観的な4歳の子。友だちとの関わりをどうサポートすればいい? (2014.5)

  • (妊娠週数・月齢)4歳

4歳の男の子です。もともと繊細で、友だちの些細な言動を気にして悲観的に捉えがちです。男女を問わず友だちと関わりたがる一方で、輪に入りきれないのか、自分だけ遊んでもらえないとよく訴えます。その都度、「入れて」って言ってごらんと、自分で輪の中に入るよう促すのですが、なかなかうまくいかないようです。仲間外れにされているような気配もないのですが、少し突き放された物言いをされたり、話を聞いてもらえなかったりすると、泣いて訴えてくることもあり、どのように接してやればいいのかわかりません。比較的、少人数で遊ぶときはうまく遊べているのですが、友だちが自分や自分のしている遊びに興味を示さなくなると遊んでくれないと感じる傾向もあり、単にわがままなのかなとも思います。悲観的に捉えず、友だちと上手に関わりをもたせるために、どのような声掛けをすればよいでしょうか?

回答者: 高橋惠子先生

 繊細で敏感で、物事をネガティブに捉えがち、というような内向的な性質は性格の基盤になる「気質」という生まれもった傾向だといえます。このような「気質」をもっていると、どうしても集団行動は苦手になります。しかし、反面、このような「気質」の子どもは他人にやさしく、落ち着いて物事に取り組み、あの子にまかせれば大丈夫と思わせるような面をもつと評価されます。一方、活発で物おじしない、明るい、というような外向的な「気質」の子どもはリーダーシップを発揮しますが、反面、落ち着きがなく、大胆で元気過ぎる、などと思われがちです。

 つまり、内向的、外向的のどちらの「気質」もプラス、マイナスの両面をもつということです。プラスの面が生きる場面ではうまく行動できるのですが、マイナスの面が出るような状況では気おくれし、引っ込み思案になります。

 親として大切なことは、第一に、子どもの「気質」のプラスの面をよく心に留めておき、「大丈夫、この子ならうまくやれるようになる」と、子どもを信じることです。親も一緒に苦手意識をもたないことです。

 友だちに関心があるのですから、その子なりに時間をかけてゆっくりと集団に加わればよいのです。友だちの輪にいきなり入らなくても、遊びを見ているだけで楽しそうならそれでもいいと、親が思うことがまず大切です。また、大人は「子どもは元気に外で遊ぶもの」という思い込みをしがちですが、遊び方にもいろいろな種類があり、園庭の隅で静かに遊ぶ子どもたちがいてもよいでしょう。お子さんが自分に合った仕方で、気の合う友だちを探しあてるまで、親の忍耐が必要です。

 第二には、生まれながらにもつ「気質」は生涯にわたって性格の基盤として続いていくと考えておくことです。

 内向的な子どもを外向的にしようなどというのは無理なことです。ただし、経験や努力によって、私たちはそれぞれの場面で不利になる「気質」を処理する方法をもつようになることは知っておいてください。たとえば、人見知りが強く他人と話すのが苦手な人でも、コツをつかむと社交的に振る舞うことができるようになります。華やかに活躍する舞台役者が、実は他人が苦手である、というようなことは少なくありません。あるいは、自分は活発で、うっかりミスをしやすいとわかっている人は、物事に細心の注意を払う方法を工夫して「気質」の不利を払いのけています。

 したがって、親や大人ができることは、子どもが「気質」を処理するコツを教えたり、やって見せたりすることです。「入れて」と言えばいいのよというのは、とてもよい知恵の伝授です。親自身が仲間との交流を楽しむ場面(食事会、ハイキングなど)に子どもを誘えば、子どもは他人と付き合う楽しさや方法を観察して学習するでしょう。