妊娠中の気がかり(体重・食事・病気・体調など)
Q. 妊娠8か月で受けた乳がん検診でしこりが見つかり、生検を勧められています。 (2014.10)
- (妊娠週数・月齢)妊娠8か月 (28〜31週)
妊娠31週です。妊娠8か月のはじめに乳がん検診(触診、エコー)を受けたところ、右胸に1.5cmほどのしこりが見つかりました。 乳がん検診は毎年専門の乳腺外来で受けており、1年前にも同じ病院で触診、エコー、マンモグラフィを受けました。医師から「触った感じやエコーからほぼ良性に違いないと思うが、針生検をしたほうがいい」と言われました。検査の時期は早いほうがいいが、産後(検査3か月後)でもよいとのことでした。ただ、悪性の可能性がゼロではないのなら、いますぐ検査を受けたほうがよいとも思えます。検査を受ける場合、妊娠9か月半ばになりますが、赤ちゃんに影響はないでしょうか。また、もしも悪性だった場合、産後まで放置しておいても大丈夫でしょうか。ご意見をお聞かせいただければと思います。
回答者: 安達知子先生
ほぼ良性とのことですが、心配を抱えて過ごすことも大変ですし、さらに、産後に乳汁分泌が開始してきてから検査を受けることは検査の精度のうえからも問題です。やはり現在検査を受けられたほうが良いと思います。悪性の可能性はゼロではないので生検を勧められているのです。
乳房は外表面に出ている部分ですので、局所麻酔をして生検をすることは容易で、妊娠経過にも胎児にも何ら問題はありません。
もしも悪性だった場合は、乳がんの広がりなどの精密検査を行って、どのような治療をするのか方針を立ててから、できる限り早く乳がんの手術を行います。乳がんの治療は、進行具合にもよりますが、手術療法ののちに、放射線治療、抗がん剤治療やホルモン治療などを併用することが通常です。
赤ちゃんは十分に成熟しているので、先に出産してから手術に入ると考えられます。いずれにせよ、乳腺外科、産婦人科、新生児科、放射線科医師、および助産師ほかの医療スタッフとの共同の管理で治療を行いますので、針生検の結果で悪性だった場合は担当医からよく説明を受けてください。