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妊娠中の気がかり(体重・食事・病気・体調など)

Q. 以前クラミジアに感染しました。妊娠・出産への影響について教えてください。 (2014.11)

  • (妊娠週数・月齢)妊娠2か月 (4〜7週)

クラミジアの妊娠・出産への影響について質問します。以前クラミジアの抗原と抗体の検査を受け、抗原陰性、抗体はIgG1.97 IgA1.04で陽性でした。いままで治療したことがなかったのでクラリスを2週間服用し、再検査はなしでした。薬の服用が終了して2週間後、卵管造影をして「異常なし」でした。ただ、クラミジアの再検査をせずに卵管造影をしても問題はなかったのでしょうか? クラミジアは感染から時間が経つと上行性があるため子宮頸部からいなくなり、感染していても抗原検査では見つけられないと聞いたことがあり、心配しています。卵管造影が「異常なし」という結果であれば、妊娠への影響はないと考えていいでしょうか。

回答者: 安達知子先生

 クラミジア感染は、いまや健康な若い女性に大変多い感染症です。気になる帯下(おりもの)や腹痛などの症状が見られることもありますが、しばしば無症状に経過し、知らないうちに骨盤腹膜炎や卵管炎を起こして、卵管閉塞や卵管周囲癒着を起こして不妊症になったり、産道に感染していて出産時に児に感染し、新生児結膜炎や肺炎を起こすこともあります。通常の抗菌薬は効きにくいこともありますが、とくに治療をしていないのに自然に治癒することもあります。

 さて、今回頸部の細胞からはクラミジア抗原は陰性とのことですので、頸管炎はないものと考えます。抗体は高い数値ではありませんが陽性ですので、感染の既往があることは確かです。しかし、抗体陽性だけでは骨盤腔内に活動性のクラミジアがいるのかいないのかは不明です。

 一方、パートナーの検査結果はいかがでしたでしょうか?男性の検査は朝の初回尿から抗原の検査をすることが多いのですが、ほんとうは感染していても、尿からの検査なので一定の割合で陰性と出ることが知られています。そのため、検査をせずにすぐに抗菌剤を服用していただくこともあります。

 今回クラリスを2週間服用されているので、一応治癒していると考えます。わざわざ子宮卵管造影検査前に抗体測定をしても、短期間では同じくらいの抗体価を示しますので、通常は行いません。また、子宮卵管造影検査で異常がなければ、クラミジアによる妊娠への影響はほとんどありません。しかし、もしもパートナーが治療していないのなら、至急治療してください。パートナーが治療する前に性行為をもってしまった際には、再度、クラミジアの治療を受けるようにしてください。
 なお、半年後くらいに再度、クラミジアの抗原、抗体検査をすることをお勧めします。抗体価は徐々に低下して、IgAはそのうちに陰性になっていくと考えます。