妊娠中の気がかり(タバコ・アルコール・薬・レントゲンなど)
Q. 妊娠5週。副腎皮質ホルモンの軟膏がついた手で腟座薬を入れてしまいました。 (2015.4)
- (妊娠週数・月齢)妊娠2か月 (4〜7週)
不妊治療の末に妊娠し、現在、妊娠5週目です。この大事なときに、リンデロンVG軟膏がついている指で腟座薬を入れてしまいました。胎児への影響が心配で、どうしていいかわかりません。手を洗ったのですが、爪の中に入っていたようです。腟座薬と一緒に溶けて、腟の中に入ってしまったのではと不安でたまらず、反省してもしきれません。どうしたらいいでしょうか。
回答者: 安達知子先生
結論から言って、まったく影響はありません。
腟に挿入する極めて大量の黄体ホルモンの座薬は、腟壁から吸収されて血流に入り、子宮に作用して子宮収縮を抑制するなど、妊娠継続の方向に作用するものですが、胎児側へ入って胎児に作用するものではありません。
同様に、爪の隙間に入っている軟膏成分が腟壁から吸収されたとしても、血流やリンパ管に入り、それが子宮循環に入って子宮に影響することはほとんど無視できるものですし、まだ胎盤もできていないため、妊娠5週目の胎児の血流に入り込むことはほとんどないと考えます。
なお、リンデロンVGは副腎皮質ホルモンとゲンタマイシンという抗菌薬を含むものですが、このわずかな副腎皮質ホルモンが母体の副腎系に影響を与えることもなく、体に影響はないことと、さらに、母体の合併症(自己免疫疾患などやたとえば腎移植後などの合併症)をもつ方は妊娠前からもっと多量の副腎皮質ホルモンを服用しながら、妊娠継続する方もいます。ゲンタマイシンもあまり胎児へ影響することはありませんし、極めてわずかで、ほとんど問題にはなりません。
ご心配なく経過を見てください。