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妊娠中の気がかり(体重・食事・病気・体調など)

Q. 第2子妊娠8週目。上の子を抱いたまま転倒してしまい、胎児への影響が心配です。 (2015.7)

  • (妊娠週数・月齢)妊娠3か月 (8〜11週)

妊娠8週目です。先日、雨でぬかるんでいる坂道で転んでしまいました。上の子を抱いていた左手側をとっさに上にしたためか、右手側にかなりの擦り傷ができ、おしりを強く打ちました。本などで調べましたが、妊娠初期の転倒についての情報が少なく、心配しています。胎盤が形成される前の転倒は、胎児にどんな影響がありますか。衝撃などが伝わるものでしょうか。また、そのことで何か問題が生じる可能性があるでしょうか。今後の注意点とともに教えていただけたらと思います。

回答者: 市川香織先生

 妊娠初期に転んでしまい、おなかの赤ちゃんへの影響がご心配なのですね。上のお子さんをかばったので、お母さまご自身が衝撃をすべて受け止められ大変でしたね。

 妊娠初期の転倒は流産に結びつくのではないかと心配になりますが、必ずしも流産の直接的な原因になるわけではありません。出血や下腹部の痛みがなければ流産の兆候はないでしょう。いま症状がなく落ち着いていれば、これから後、転倒による影響が出るということはないので安心してくださいね。

 ただ、念のためにかかりつけの病院に連絡し、赤ちゃんの状態を確認してもらうとよいでしょう。現在の週数ですと赤ちゃんの心拍も超音波検査で確認できる頃ですから、赤ちゃんの心拍や胎のうに変化はないか、子宮の中に出血など流産の兆候がないかなどを確認してもらうと安心です。万が一、子宮内の出血があった場合も、安静によって妊娠が継続できることもあります。

 今後も転倒しないよう気をつけることがもちろんいちばん大事なのですが、もし転倒してしまった場合は、動けるようならなるべく早くかかりつけの病院で診察を受けることが大切です。緊急時に備えて、母子健康手帳は外出の際いつも携帯されることをお勧めします。

 上のお子さんがいらっしゃるので、どうしても荷物が増えますし、手が空かないことも多いとは思いますが、普段から動きやすい服装や靴、身軽な荷物にすることが大切です。雨の日の坂道や駅の階段などはとくに滑りやすくなっていますので、どうしても出かけなくてはいけない場合を除いて外出を控えることも大切です。出かける際にはゆとりをもって、ゆっくり行動できるよう心がけましょう。

 また、自転車などは慣れていてもバランスが取りにくいこともあり、妊娠中は控えたいですね。これからおなかが大きくなってくると足元が見えにくくなり、からだのバランスもますます取りにくくなりますので、とくに階段では手すりを使うようにするなど、普段から転ばないような予防策をとっておきましょう。

 最後に、ご質問のケースからは外れますが、初期の流産について少しつけ加えたいと思います。たとえば、何かのきっかけ(思わぬ転倒や仕事の忙しさなど)で流産の兆候があったとき、妊婦さんはどうしてもご自身を責めてしまいがちです。しかし、初期の流産の原因はほとんどが赤ちゃん自身の染色体などの異常だといわれています。転倒が流産の直接的原因になることではないので、ご自身を責める必要はありません。