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病気・予防接種

Q. もうすぐ1歳。臍ヘルニアを指摘されていますが、どう対応すればいいですか。 (2015.11)

  • (妊娠週数・月齢)1歳0か月

もうすぐ1歳の女の子です。健診や病院を受診した際には必ず臍ヘルニアを指摘されますが、ずっと様子見でした。結局、0歳児後期の健診で、「1歳までに治らなければ、女の子なので気にするだろうから小児外科で処置してもらったらよい」と言われました。しかし、「絆創膏で処置したらかぶれて痕が残った」とか「コインをあてる民間療法があるが腸に悪影響がある」「3歳くらいまでに治るから放置しておくべきだ」など、さまざまな意見があるようで、どうするべきか悩んでいます。最近では、保育所で「だんだん小さくなっていますね」とも言われ、大泣きしたときに出るくらいなのですが、やはり早めに処置したほうがいいのでしょうか?

回答者: 板橋家頭夫先生

 臍ヘルニアは、腹壁を貫いていた臍帯が脱落したあとに、その穴が瘢痕組織や筋肉で覆われないために起こります。

 一般的には、出生後早期にその穴が閉鎖していきますが、閉鎖に時間を要すると「臍ヘルニア」となります。もっとも大きくなる時期が3〜6か月です。約90%が2歳までに自然治癒します。日本小児外科学会のホームページ()には、「このヘルニアは、5〜10人に一人の割合でみられ、生後3ヶ月ころまで大きくなり、ひどくなる場合は直径が3cm以上にもなることがあります。しかし、ほとんどのヘルニアはおなかの筋肉が発育してくる1歳頃までに自然に治ります。ただ、1〜2歳を越えてもヘルニアが残っている場合や、ヘルニアはなおったけれども皮膚がゆるんでしまっておへそが飛び出したままになっている時には、手術が必要になることがあり、小児外科医にご相談ください」と記載されています。

 施設によっては臍ヘルニアが発見され次第、綿球やスポンジで圧迫する方法を勧めることもあるようで、その効果は75〜100%と報告されています。圧迫法と無治療を無作為に振り分けて検討した科学的な証拠がないため、現在、どの方法を選択すべきかについて結論が得られていません。

 さて、ご質問のお子さんについてですが、生後6か月以上を経ており、さらに小さくなりつつあるようですので、これから圧迫法を行ってもあまり効果は期待できないと思います。おそらく今後自然に縮小していくことでしょうから、1〜2歳まで待っても完全に消失しないときや皮膚のたるみが残ってしまった場合に小児外科の先生を受診し、相談なさってはいかがでしょうか。

日本小児外科学会ホームページ(臍ヘルニア)