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妊娠中の気がかり(体重・食事・病気・体調など)

Q. 妊娠21週。胎児の腎臓に水が溜まっていると指摘され、今後の発育が心配です。 (2015.11)

  • (妊娠週数・月齢)妊娠6か月 (20〜23週)

妊娠21週の健診で、赤ちゃんの左右両方の腎臓に水が溜まっていると言われました。小さな病院なので詳しいことがわからず、大学病院の先生に診ていただく予定です。水腎症の可能性があるようですが、今後どのような治療や処置を受けることになるのでしょうか? 今後の赤ちゃんの発育や生まれてからの健康にどんな影響が出るのだろうと、とても不安です。

回答者: 安達知子先生

 「胎児水腎症」が疑われます。尿は腎臓で作られ、腎盂に排出されて尿管を通り、膀胱内に流れ、ある程度膀胱内に溜まると尿道を通って体外に排泄(排尿)されます。胎児にとって体外とは子宮内のことで、胎児の尿は羊水の成分です。

 この尿路のどこかに狭窄や閉塞、逆流があると、腎盂が拡張する水腎症のほか、尿管拡張や膀胱拡張などが起こります。どの部位に異常があるのか、水腎症の程度はどのくらいなのか、羊水量は少なくないのか(少なすぎると羊水過少といって、21週くらいの早期に起こると胎児の肺の発育が悪くなるなどのリスクをもちます)、他の臓器に奇形などの合併がないのか、など精密検査が必要です。

 超音波で胎児に水腎症が見られても、多くは病変を伴わず、約80%の胎児水腎症は出生後に軽快したり、出生後3年くらいまでに自然に消失していきます。通常は、小児外科医と相談しながら妊娠中に定期的にエコー検査を行い、腎盂の状態を観察して、出生後に軽快していくのか、尿路感染を繰り返さないか、腎機能が低下していかないか、外科的処置が必要ないのかなどを判断します。大学病院で精密検査を受けて、よく説明を聞いてください。