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出産について

Q. 妊娠31週です。逆子ですが経腟分娩できますか?帝王切開のほうがいいですか? (2016.5)

  • (妊娠週数・月齢)妊娠8か月 (28〜31週)

妊娠31週の初産婦です。産婦人科医より、胎盤の位置が低く、逆子だと言われています。2週間前から逆子体操やお灸などに取り組んでいますが、なおる気配がありません。私はできれば下から産みたいと思っており、主治医に相談したところ、「逆子のままでも経腟分娩は可能」とは言われました。とはいえ、リスクもあると思います。出産までなおらない場合、帝王切開を選択すべきか、経腟分娩にこだわるべきか悩んでいます。それぞれの出産方法のリスクとメリットをお聞きしたいと思います。

回答者: 安達知子先生

 妊娠中に色々な胎位をとっていても、33〜34週頃には、頭が下である頭位となるのが普通です。まだ31週ですので頭位に変わる可能性はあります。一方、逆子(骨盤位)になるのは、原因がとくにないこともありますが、母体の骨盤の形、胎児の頭の形や大きさ、子宮の下部に子宮筋腫や胎盤などがある、まれに卵巣嚢腫が骨盤内下部にあるなどの影響で、胎児の頭が子宮下部に固定されにくい状況が隠れていることもあります。ご相談の方は、胎盤の位置が低いとのことですので、頭位になりにくいのかもしれませんし、体操やお灸などでも、胎位が変わらないとのことですので、さらに、臍帯の長さが短めだったリ、臍帯が胎児に絡まっていて、位置を変えにくい可能性もあります。胎児は、頭が一番大きく、通常の分娩では、頭が娩出すると、後は速やかに肩、胴や脚が出てきます。しかし、逆子では、最後に頭が出るので、産道通過に時間がかかりやすく、その間、もっとも大切な胎児へ酸素を供給する臍帯が母体の骨盤の骨と胎児の間で圧迫を受けて、胎児が酸素不足になり、仮死状態で生まれるリスクがあります。普通の分娩にトライして、途中で帝王切開に切り替えても、始めから帝王切開するより、胎児に対するリスクは高いと言われています。一方、帝王切開は、今は日本の分娩の20%に行われており、安全なお産の方法ですが、次の妊娠で、再び帝王切開になることがほとんどで、お産のために複数回の手術をするリスクがあります。

 どうしても普通の分娩にトライしたいのならば(できれば、すでに正常分娩の経験があるのが望ましい)、逆子であっても、少なくとも胎児の脚ではなくお尻が先進していて、妊娠末期には母体の産道内に下がリ、胎児が極端に大きくも小さくもなく、37週〜予定日前に、自然に陣痛発来することが必要です。また、新生児ICUのある病院で出産する必要があります。今は安全な帝王切開ができる時代です。初めてのお産で、胎盤は低めにあり、なかなか骨盤位がなおらない状態では、普通の分娩へのトライはリスクがあると思います。