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発育・発達

Q. 10か月でおすわり&はいはいができず、パラシュート反射がないと、どんな問題がありますか? (2016.8)

  • (妊娠週数・月齢)10か月

10か月の女児です。出生は37週で2,890gでした。首すわりは4か月、寝返りは8か月後半でした。手をつけば前かがみの状態で4〜5分くらいおすわりができますが、手をつかないおすわりはできません。また、うつぶせの状態から自分で向きは変えられますが、はいはいができません。先日、9〜10か月健診の際、「パラシュート反射が出ないねえ〜」とお医者さんに言われ、おすわりがちゃんとできないことなど、発達の遅れが気になってきました。10か月でこれらのことができないと、どんな問題があるのでしょうか? 名前を呼ぶと振り返りますし、あやすと笑うし目もあいます。おもちゃに手を伸ばして、それを持って遊んだりもします。意味がある言葉はまだですが、なにやらしゃべってはいます。ただ、からだに少し反り返りがあることも指摘されたので、家で様子を見ていたら、時々、手足をピーンと伸ばすときがあり、それも気になっています。

回答者: 板橋家頭夫先生

 10か月では、ほとんどのお子さんでパラシュート反射が見られます。パラシュート反射とは、姿勢反射のひとつで、両脇を支えたまま赤ちゃんをうつ伏せの状態から抱き上げ水平に保ち、急に頭を下げたときに、赤ちゃんが両手を広げて身体を水平に支えようとする反射のことです。また、すわったままの状態から横に倒すと、倒した側の手で自分の身体を支えようとします(横のパラシュート反射といいます)。この反射は、赤ちゃんがおびえていたり、泣いて両腕を強く屈曲している状態だと、確認することが難しい場合があります。

 健診では、パラシュート反射や一人ですわることが確認できないときに、その時点で脳の異常がある、脳性麻痺である、発達が遅れているといった判断をすることはせず、1〜2か月程度の間隔で経過をみていくことが多いと思います。とくに相談者のお子さんの場合は、呼びかけに対する反応があったり、おもちゃに手を伸ばして遊んだりといったことが見られているわけですので、脳に重篤な障害がある可能性はあまり高くないのではないかと推測されます。反り返る、足をピーンと伸ばすといった状態も、常時見られているのでなければあまり心配はないと思います。

 赤ちゃんを観察ばかりしていると、ちょっとしたことが異常に思えて、子育てが楽しくなくなってしまいます。脳に障害がなくとも、発達の仕方には個人差があることを理解しておいてください。まずは、かかりつけ小児科医に定期的にフォローしてもらい、そのときに不安を解消してもらうようにしてはいかでしょうか。