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妊娠中の気がかり(体重・食事・病気・体調など)

Q. 第3子を希望しています。過去2回の妊娠で妊娠高血圧症を発症しました。 (2017.3)

  • (妊娠週数・月齢)産後

高血圧の家族歴があり、過去2回の妊娠で2回とも妊娠高血圧症になっています。第1子は血圧上昇のため予定日直前に誘発分娩が決まり、硬膜外麻酔で血圧をコントロールしながら出産。第2子のときは初期から血圧が高く、降圧剤を服用していましたが、31週で常位胎盤早期剥離を起こし、緊急帝王切開となりました。全身麻酔の影響もあってか、赤ちゃんはアプガースコア1点の重症新生児仮死で、かなり危ない状況だったようです。
第3子を希望する気持ちがありますが、そろそろ高齢出産の年齢ということもあり、周囲からは反対されています。幸いにして第2子の予後は良好ですが、このような妊娠出産歴がある場合、今後の妊娠はどのくらいのリスクがあるでしょうか?

回答者: 安達知子先生

 妊娠高血圧症候群や胎盤早期剥離は、今でも母子の生命に関わるハイリスク妊娠であり、救命できたとしてもしばしば身体に障害を残すことがあります。血圧だけが上がるのを妊娠高血圧症、血圧上昇と尿タンパクも陽性になるのを妊娠高血圧腎症といいます。1回目の分娩後12週間以内に血圧が正常化しないと、後遺症として高血圧症になってしまい、次の妊娠では、極めてハイリスクとなります。なお、家族歴があると高血圧症になる頻度は高くなります。

 妊娠初期からの降圧薬でのコントロールはむずかしく、しばしば胎盤発育が悪くなり、胎児発育も抑制されて、胎盤早期剥離を起こしやすくなります。3回目の妊娠では、さらに高血圧のコントロールはむずかしいことが予測され、入院管理をしていても、早期の妊娠終了が必要になることもしばしばです。また、胎盤早期剥離自体は一般的にも10%程度反復すると言われていますが、ご相談の方はさらに発症頻度が上がるかもしれません。3回目妊娠は、おすすめしません。