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Q. 生後5か月の女児です。先天性眼振だと、どんな症状が出るのでしょうか? (2017.11)

  • (妊娠週数・月齢)5か月

第1子の生後5か月の女児を育てています。先日、大学病院で先天性眼振と診断されました。眼振だとどんな症状が出るのでしょうか? 最近、おもちゃは追うのに人の顔を避けることが気になっています。微笑みがえしがなかったり、横目で見たり、伏せ目になったり、母親を認識していないような感じがしています。これは眼振の症状のせいなのでしょうか? それとも自閉症など、他の病気の症状でしょうか?すぐに病院にいった方がいいのか、とても不安でたまりません。

回答者: 板橋家頭夫先生

 出生後早期(多くが2~3か月あたり)から不随意でリズミカルな眼球運動がみられる場合を先天性眼振といい、ほとんどが特発性(明らかな原因が不明)です。一部に白皮症や色覚異常、無虹彩症(むこうさいしょう)、中心窩低形成(ちゅうしんかていけいせい)などの疾患や、先天性白内障や先天性緑内障などが原因で乳児期から視力障害を伴う疾患が含まれていることもあります。そのため乳児眼振症候群という表現も用いられています。

 お子さんにどの程度の眼科的診察が行われたのかはわかりませんが、おそらく眼振以外の所見がなかったのであれば特発性ではないかと推測されます。一方、生後6か月以後に見られる場合は後天性眼振といい、中心神経系の傷害を中心とした原因となる疾患が存在します。

 先天性眼振のうち特発性では眼振以外の症状を伴わないことがほとんどです。眼振がもっとも少ない位置が確立されると、その位置を見る方向に向けて横目使いをするような状態になることがあります。お子さんの状態もこれを反映している可能性があります。そのために母親を認識していないように見えるのかも知れません。

 現時点でお子さんの将来的な予後を予測することは困難ですが、眼科だけではなく小児科でもお子さんの成長や発達について、定期的に経過を診てもらうことが必要と思います。