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発育・発達

Q. 生後3か月です。早産だったことが知能などに影響しないか心配しています。 (2017.12)

  • (妊娠週数・月齢)3か月

36週4日、2284gの早産で出産しました。昔、知り合いの小児科医が言っていた「早産の子は知能が低くなる」という言葉が頭から離れません。現在3か月で、発育について異常は指摘されていませんが、今後が心配で、知育の本やおもちゃを買ったり、今から塾を考えたりしてしまいます。早産、低体重で出産した場合、知能面でどのようなことに注意していく必要がありますか?また、身体面で気をつけたほうがいいことも教えてください。

回答者: 板橋家頭夫先生

 早産とは妊娠22週0日~36週6日のあいだに出生した場合をいいます。低出生体重児とは生まれたときの体重が2500g未満の新生児のことです。したがってお子さんは、専門的にいうと、早産で生まれ、かつ低出生体重児であるということになります。しかしながら出生体重を見る限り、子宮内の発育は比較的順調だったのではないかと思います。

 確かに早産児や低出生体重児は、妊娠37週以上で出生した児や2500g以上で出生した児に比べて発育や発達の遅れ、注意欠陥多動や自閉症などの発達障害のリスクは高いといわれています。しかし、このような傾向はより早産で出生したり、より小さく出生した児ほど高く、妊娠期間が37週、あるいは出生体重が2500gに近くなるほど低くなります。また、子宮内発育が順調であれば、たとえ早産であっても、子宮内での胎児発育が抑制された状態に比べてこれらのリスクは低いことが知られています。

 以上のことから、一般論的にはお子さんの知的発達が遅れるリスクが極端に高いとは言えないと思います。海外のデータを参照にすると、せいぜい1倍をわずかに超える程度です。したがって、現時点でお子さんに明らかな異常がないにもかかわらず、特別なトレーニングをする意味はあまりないと思われます。定期的な健診をきちんと受けることぐらいでよいのではないでしょうか。いろいろ気に病んだり育児を楽しめないことの方が、かえってお子さんの発育や発達にとってマイナス要因になると思います。