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妊娠中の気がかり(体重・食事・病気・体調など)

Q. 妊娠7か月。腰痛でよく眠れません。 (2018.3)

  • (妊娠週数・月齢)妊娠7か月 (24〜27週)

妊娠6か月ごろから、夜中に骨盤のあたりの激しい痛みで目を覚ますようになりました。布団の敷きパッドを変えたら痛みは消えましたが、妊娠7か月に入ってから、また、夜中に腰の激痛で目を覚ますようになりました。今度は腰の下にクッションを入れて寝るようにしましたが、あまり効果はありません。痛みで目が覚めたときは、横向きで寝るようにしています。何が原因なのでしょうか? そして、どう対策すればよいのでしょうか?

回答者: 市川香織先生

 妊娠7か月、腰痛があって、寝ていても目を覚ますくらいの痛みが出てきたりしているのですね。つらいですね。
 まずは、妊婦健診時に医師や助産師に痛みについて相談してみましょう。医学的な問題ではないと判断されれば、妊娠に伴う生理的な変化が影響していると考えてよいでしょう。

 妊娠すると、からだは出産に向けていろいろな準備をしていきます。骨盤の関節をゆるめて、出産のとき産道に赤ちゃんが下りてきやすいようにするのもそのひとつ。これは、妊娠初期から分泌が始まるホルモンの作用によるものです。出産のために必要な準備ではあるのですが、骨盤はからだの中で体重を支える中心的な役割を担っている骨でもあるため、ここがゆるんで、そこに妊婦自身の体重、徐々に大きくなっていく赤ちゃんの体重がかかると、不安定になり痛みが出てきてしまいます。

 骨盤の関節が不安定になると、立ったり座ったりがスムーズにできなくなるため、骨盤周りの腰やお尻の筋肉がそれをカバーしようと、かたく緊張するようになります。そうなると、筋肉は疲れてしまい、腰痛やお尻の痛みとなってあらわれてきます。ひどいと足のしびれが出てくる場合もあります。

 また、お腹が大きくなってくるころからよくあるのが、腰を反る姿勢が強まることで腰痛があらわれるケースです。腰が反って腰痛が出ている場合、仰向けで寝ると腰が浮いてしまう形になるため、寝るのが苦痛になります。腰の下にクッションを入れると、その時は一時的に楽になるかもしれませんが、腰の反りを改善するわけではないので、痛みは治まらないでしょう。

 寝る時の姿勢としては、横向きの時など脚の間にクッションや毛布などをはさみ、股関節をねじり過ぎないようにしましょう。また、腰の反りによる腰痛が考えられる場合は、横向きになって腰を丸める姿勢をとるとよいでしょう。

 床に座る時、横座りする姿勢は、ゆがみを強めるのでお勧めできません。座る時は左右どちらかにかたよる姿勢は避けるとよいでしょう。
マタニティヨーガやストレッチなどで、気持ちよくからだを伸ばす動きを日々の生活で取り入れることは、腰痛緩和にお勧めです。

 腰やお尻の筋肉がかたくなっている場合は、その筋肉をほぐすと痛みが楽になる場合があります。可能であれば、妊婦への施術を行っている整体院などを利用してこりをほぐしてもらうとよいでしょう。
 自分でできる対策としては、テニスボールなどでお尻の筋肉をほぐすことです。横になってボールの上にお尻を乗せ、しばらく時間をおいたら、少しずつ場所をずらしていきます。おしりのほっぺ部分(臀部中央の凹部分よりやや上部)にテニスボールを押し当てて、からだをゆらゆら動かし、おしりの筋肉をほぐすといいでしょう。

 こりをほぐすためには、からだを温めることも効果的です。からだに痛みがあると安静にしがちです。動かないと、より凝り固まってしまい痛みが増すという悪循環になりますので、入浴してしっかりからだを温めたり、前かがみにならないよう姿勢を正し、適度にからだを動かしたりすることも大切です。
 即効的な対策はありませんが、血液循環をよくしながら、悪化しないよう予防していきましょう。