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病気・予防接種

Q. 生後1か月の子。甲状腺機能低下症の疑いがあります。 (2018.7)

  • (妊娠週数・月齢)1か月

生後4日目に行った先天性代謝異常検査の結果、甲状腺機能低下症の項目で引っかかったと1か月健診のときに言われました。その日の再検査の採血でも、やはり引っかかり後日再々検査があります。その結果を待つしかないのですが、黄疸もあるため心配で、育児を楽しむ余裕がありません。甲状腺機能低下症とはどういう病気なのでしょうか?体質で正常値になるまでに時間がかかる子もいるそうですが、どのくらいかかるのでしょうか。また、再々検査で正常値になった場合、病気ではなかったと考えてよろしいのでしょうか。TSHは15(生後4日目)→10.3(生後28日目)でした。

回答者: 板橋家頭夫先生

 先天性甲状腺機能低下症とは、生まれつき甲状腺の形態または機能異常によって甲状腺ホルモンの分泌が不十分な状態をいいます。甲状腺ホルモンは、胎児期~新生児期の中枢神経系の発達や身体の発育に欠かすことができないホルモンです。この時期にホルモンの分泌が少ないと、黄疸の遷延や、便秘、臍ヘルニア(でべそ)、体重増加不良、皮膚の乾燥、不活発、巨舌、嗄声(声がかすれている)、四肢冷感、浮腫、小泉門開大、甲状腺腫などさまざまな症状がみられます。長期的には成長障害や発達遅滞が問題となります。新生児期では特異的な症状がないので、症状から先天性甲状腺機能低下症を診断することは困難ですが、無治療だと成長や発達に問題が生じます。そのため新生児を対象に行われるマススクリーニング検査の重要な項目の一つとなっています。

 さてお子さんについてです。黄疸が持続しているとのことですが、先天性甲状腺機能低下症以外にもっと多くの原因(例えば母乳性黄疸)がありますので、これだけで疑うことはできません。マススクリーニングにはTSH(甲状腺刺激ホルモン)が指標として利用されており、初回のTSHが15mIU/Lで、1か月時点の検査では10.3mIU/Lまで低下しているようですのでこの傾向は良い徴候の一つですが、依然として高めであることから専門医療機関での精密検査が必要と思われます。甲状腺ホルモンとして作用するFT4や甲状腺の超音波検査、骨のX撮影、その他の血液検査などを組み合わせて治療の必要性を判断することになります。精査でTSHだけが軽度上昇しているのみで、その他の検査や臨床症状にも異常がない場合には、医師によっては治療をせず経過をみる場合もあります(治療を行うかどうかの科学的根拠が明確ではないためです)。それでも生後6か月を経てもTSHが10mIU/L以上である場合には、治療が考慮されることがしばしばです。まずは、専門医療機関を受診しご相談してください。

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