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食事と栄養・離乳食

Q. 1歳7か月、噛まずに上あごと舌ですりつぶして食べます。 (2018.7)

  • (妊娠週数・月齢)1歳7〜11か月

1歳7か月の娘がいます。ご飯の食べ方が、いまだに上あごと舌を使い、チュパチュパとすりつぶすようにしていて、歯を使って噛みません。生えている歯を使わずに、おっぱいを飲んでいるように食べています。そのため、食べ物の大きさをなかなか大きくできません。どうすれば、歯を使ってモグモグ食べてくれるようになりますか? すごく心配です。

回答者: 井上美津子先生

 「噛むこと(歯を使った咀しゃく)」は、歯が生えたからと自然に獲得される機能ではないので、食べる意欲を育てながら、与える食べ物の形態を調整したり、食べ方の工夫をしていきましょう。

 「お乳を吸うこと」は、出生時にすでに哺乳反射として獲得されている機能ですが、「噛むこと」すなわち歯を使って咀しゃくすることは、離乳期にベースとなる動きが獲得されます。1歳を過ぎて乳歯の最初の奥歯(第一乳臼歯)が生えるにともないさまざまな食材を経験することで学習され、乳歯の奥歯が生え揃う3歳頃までに獲得される機能です。1歳代はまだ最初の奥歯が生えて間もない時期ですので、少しずつ噛む楽しさを覚えていってほしいですね。

 「噛むこと」も食べる意欲に関係することがあります。母乳や育児用ミルクが続いていたり、牛乳や甘味飲料が多い子どもでは、液状食でおなかがいっぱいになり、食事(固形食)にあまり関心が向かないことがあります。また哺乳が続いている子どもでは、吸う動きが残りやすい傾向もあるようです。頻繁な授乳や飲料摂取を控えて、しっかりお腹を空かせて食事の時間を迎えるようにする対応が必要でしょう。

 離乳期から1歳代前半にかけて、「舌でつぶす」⇒「歯ぐきでつぶす」⇒「手づかみで食べる」などの食べ方はどうだったのでしょうか。奥歯が生える前に、舌でつぶせないくらいの硬さの食べ物を、奥の歯ぐきで噛みつぶす動きが出ていれば、奥歯が生えてからの噛む動きも出てきやすいものと考えられます。また、手づかみ食べで大きめの食べ物を前歯でかじり取ることにより、食べ物の大きさや硬さを感知して、奥歯の方に食べ物を運んで噛みつぶす動きにつなげることができます。このような動きがまだ十分獲得されていないようでしたら、「少し大きめに切った食べ物」を「手づかみでかじり取らせる」ようにするとよいでしょう。前歯を使って自分に合ったひと口量をかじり取ることで、食べ物の硬さなどを確かめることができ、また舌で上あごに押し付けながら大きさや硬さを確認して、その後の噛む動きにつなげることができます。

 食べやすいように小さく切った食べ物では、奥歯で噛む動きにつなげにくいと思われます。大きめのスティック状に軟らかく煮た野菜(かぼちゃやさつまいも、にんじん、大根など)を、子どもに手づかみでかじり取らせます。野菜が不得意な子どもなら、蒸しパンやホットケーキ、卵焼きなどでもいいでしょう。自分でうまくかじり取りができない場合は、はじめは親が介助してかじり取らせてあげます。また、奥歯で噛む感触を覚えてもらうためには、親が介助してえびせんやクッキーなどを与えてもよいでしょう。「カリッ」「ポリッ」と奥歯で噛む楽しさを体験してもらうためには、子どもの好きな食べ物で練習するのも一案です。

 歯を使った咀しゃくは、第一乳臼歯の後ろに第二乳臼歯という噛む面の大きな奥歯が生えて、しっかり噛み合ってくる3歳ごろまでに徐々に獲得される動きです。噛みごたえのある食べ物をよく噛んで食べられるようになるのは3歳以降ですので、体重の増加が順調ならあせる必要はありません。よく遊ばせておなかを空かせ、食べる意欲を高めながら、ゆっくり食べ方を育てていきましょう。

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