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Q. 0か月の子。新生児聴覚スクリーニングで両耳リファーとなり1か月の経過観察に。すぐに大学病院で検査しなくて大丈夫でしょうか? (2019.10)

  • (妊娠週数・月齢)0か月

 9月に生まれたばかりの男児です。新生児聴覚スクリーニング検査を受けたところ、TAOAE検査で両耳リファーでした。医師からは、「羊水が詰まっていた可能性もあるので心配せずに1か月後に診察に来るように」と言われ、「その際にも同様にリファーだったら大学病院に紹介状を書く」と説明を受けています。大学病院での検査結果が出るまで数か月程度かかっているケースもあるようなので、このまま待っていてもよいのか不安です。

回答者: 板橋家頭夫先生

 新生児の聴覚スクリーニング検査で用いられる方法の一つとして、音響放射検査がありますが、音の出し方によって歪成分耳音響放射(DPOAE)と誘発耳音響放射(TEOAE)の2種類に分けられます。お子さんは後者の検査を受けたわけですね。生まれつき難聴がある新生児は1000人のうち1~2人ですが、今回の検査では4~5人が精密検査を勧められます。スクリーニング検査では、難聴がなくとも検査でリファーと判定されることがあり、その原因の一つとして羊水の成分が外耳道をふさいでいる可能性があります。日本耳鼻咽喉科学会による新生児聴覚スクリーニングマニュアルでは、リファーと判定された児に対しては生後3か月までに専門施設の受診を勧めています。1か月健診で再度TEOAEによる検査を行い、リファーとなった場合にその時点で紹介してもらうという方針でも、対応が遅すぎるという心配はないと考えられます。