赤ちゃん & 子育てインフォ

ホーム妊娠・子育て相談室インターネット相談室Q&Aバックナンバー妊娠中の気がかり(体重・食事・病気・体調など)

妊娠中の気がかり(体重・食事・病気・体調など)

Q. 妊娠16週です。子宮脱になりペッサーリングを入れています。 (2019.12)

  • (妊娠週数・月齢)妊娠5か月 (16〜19週)

現在、妊娠16週です。14週のときに子宮脱になり、ペッサーリングを入れましたが、すぐ触れるところまで下がってきてしまいます。医師からは、出血がなくリングが抜けず、腹痛がなければ日常生活を送ってもいいと言われました。職場での配慮があり、ほとんど座ってできる仕事となっているため、職場に復帰しています。腟に少し手を当てれば、すぐに子宮に触れます。こんな下に子宮があっても、赤ちゃんはちゃんと育つものなのでしょうか。出産の際、帝王切開になったりすることはありますか?

回答者: 安達知子先生

 元々、骨盤底筋の力が弱く以前から子宮下垂気味であった方が妊娠されて、ホルモンの関係で筋肉が弛緩されやすくなり、また、腫大した子宮の重さなども加わって、子宮脱を発症したものと思われます。

 一般的に、子宮下垂や子宮脱は、出産経験のある方、便秘がちの方で強い腹圧をかける機会の多い方などに起こりやすいです。治療としては、以下のようになります。

1.まずは重労働を避け、排便時などに下腹部に力を入れないように注意する。不必要な外出は控える。

2.ペッサリーで整復(正常な状態に戻すこと)する。妊娠20週ごろには自然整復するので、その後にペッサリーを取り外す。

3.下着などでこすれて、子宮頸部のびらんや潰瘍などを形成するリスクがあり、出血などがある場合は、産婦人科医に相談する。

4.分娩後3か月以上経過して子宮脱が再発していれば、外科的治療を考慮する。

 胎児は子宮の体部と呼ばれる子宮の上部で発育していきますので、胎児発育は正常であることが多いですが、子宮頸部の延長、硬化などが起きやすくなります。そのため、陣痛開始後、子宮頸部の開大が遅れて、分娩が長時間になったり、胎児機能不全が起こる場合があります。そのときは、吸引、鉗子分娩や帝王切開となるリスクは通常より上昇します。

 ご相談の方は、現在16週とのことですが、近いうちに子宮脱は自然に軽快していきます。その後ペッサリーは必要なくなりますが、生活習慣に気をつけてください。