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病気・予防接種

Q. 3歳の男児です。小泉門が閉じていないと、どんな問題があるでしょうか? (2020.5)

  • (妊娠週数・月齢)3歳

3歳の男の子です。発熱時に尋常ではないくらい頭痛を訴えるので、気になってはいたのですが、たまたま頭を触った際、小泉門が閉じていないことに気がつきました。大泉門のことは知っていましたが、小泉門も気にしないといけないということを、3歳にして初めて知りました。生後数か月で気がついてあげないといけないことだったのに、何かの病気を何年も見過ごしていたのでは?と不安で仕方ありません。かかりつけ医には「コロナの件が落ち着いたら、大きな病院で検査しましょう」と言われました。何かの病気の可能性があるのでしょうか?

回答者: 板橋家頭夫先生

 複数の頭蓋骨が合わさった部分の隙間が泉門です。左右の前頭骨および頭頂骨の4つの頭蓋骨が合わさった隙間を大泉門といい、後頭骨と左右の頭頂骨の3つの頭蓋骨が合わさった隙間を小泉門といいます。頭部を真上からみたとき、前方にあるのが大泉門で、後方にあるのが小泉門です。

 大泉門は通常1歳6か月ごろに、小泉門は生後2~3か月までに閉鎖します。大泉門の閉鎖遅延と膨隆(盛り上がる状態)がみられるときは、水頭症、脳腫瘍などによる脳圧の上昇があると推測され、膨隆はないものの閉鎖が遅れている場合には、先天性軟骨無形成症(成長軟骨の異常により骨の形成が遅れる疾患)、ダウン症、先天性甲状腺機能低下症(甲状腺ホルモンの産生が低いために成長・発達の遅れをきたす先天性の疾患ですが、新生児早期のスクリーニング検査の対象疾患になっています)などに伴っている可能性があります。

 一方、小泉門の閉鎖遅延や膨隆はしばしば見過ごされがちですが、同様の異常に伴うことがあります。激しく泣かないときでも泉門が膨隆しているときは脳圧が高い可能性があり、激しく泣くとき以外に泉門の膨隆がみられない場合は、脳圧は高くないと考えられます。また、家族性大頭症では、大泉門、小泉門の閉鎖が遅れますが、この場合は経過観察でよいと考えます。ご質問の内容には、頭囲や大泉門の状態、発達の遅れの有無、新生児スクリーニング検査結果などの情報がありませんが、3歳時点で小泉門が閉鎖しておらず、頭痛を訴えているとのことですので、やはり詳しく調べていただいたほうがよいかと思います。