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妊娠中の気がかり(体重・食事・病気・体調など)

Q. 妊娠18週。羊水の色が普通ではないようです。 (2022.1)

  • (妊娠週数・月齢)妊娠5か月 (16〜19週)

妊娠18週の妊婦です。つい先日、羊水検査を受けました。その際、取り出した羊水は、血が混ざったような、チョコレートのような色でした。これは普通の羊水の色ではないと先生もおっしゃっていましたが、インターネットで探してもそれについての記事をなかなか見つけられません。初期に絨毛膜下血腫で何度か出血をしましたので「まだそれが消えておらず、そこから滲み出てきたのではないか」と先生は話していました。羊水に血が混ざった状態で、赤ちゃんの成長に悪い影響が起きることはないのでしょうか? 現在、赤ちゃんの心拍などには問題ないのですが、とても不安です。

回答者: 安達知子先生

 一般的に羊水穿刺時(おおよそ妊娠15~19週)の羊水は淡い黄色から無色で、一部胎児の皮膚などの代謝物が混ざることもありますが、ほとんど透明です。極めてまれにやや血性あるいは褐色が粗に混ざるような羊水もあります。原因不明のこともありますが、多くは、やはり絨毛膜下血腫の影響で、ある程度の大きさでしばらくの間血腫が存在し、炎症が起きていた場合に、羊膜を通して、羊水中に血腫の中の血液成分が滲み出ると考えられます。

 こうしたケースでは、羊水穿刺を行った後に破水したり、通常は密着している羊膜と絨毛膜が一部剥がれる羊膜分離などのリスクも高くなり、流産や早産しやすくなると考えます。妊娠中期になっても引き続き大きな血腫が存在する場合や入院治療が必要なくらいの出血を繰り返すような絨毛膜下血腫では、胎盤形成の障害が起こっている可能性があり、将来胎児発育遅延や妊娠高血圧症候群を発症するリスクを持つとの研究もあります。したがって、たとえ流産しなくても慎重な妊娠管理と注意は必要です。

 なお、羊水は胎児が飲み込んで排尿したり、臍帯、胎盤を通して母体に移動して代謝されたりしながら、量を調整しています。その過程で、徐々に羊水は通常の色に戻っていくことが考えられ、順調な妊娠経過をとることも十分考えられます。いずれにせよ、妊婦健診をしっかり受けて、医師の指示のもと、比較的安静としてください。